2021年の阪神ドラフトをパワプロ査定してみた
今年もドラフトの季節がやってきました。
どうも筆者です。
このパワプロ査定シリーズ記事も、今年で3年目となりました。
有難いことにそこそこ見てもらっているようで嬉しいです。
(選手パスワード記事と間違ってアクセスされた方はごめんなさい。)
去年の記事はこちらです。
また、今年もこちらのサイトを大いに参考にさせていただきました。
http://playersnote.blog.fc2.com/
https://draftrepo.blog.fc2.com/
では、どんな選手が入ったか見ていきましょう。
指名選手
1位 森木大智(もりき・だいち) 高知高校
投手 18歳 右/右 184cm82kg
適正:先○ 中△ 抑-
球速:154km
コントロール:40E
スタミナ:57D
↓縦スライダー3
→カットボール1
↘カーブ2
中3時に150kmを記録して注目された元「スーパー中学生」。
四国ナンバーワン投手と名高い好投手でしたが、強豪に阻まれ甲子園出場経験は無し。
憧れの選手は藤川球児投手だそうです。
まだ伸び代を大きく残しており、プロ入り後の成長が非常に楽しみな素材です。
ハズレ1位ではありますが、矢野監督のコメント通り「まさか残っているとは思わなかった」選手です。
実質一本釣りという評価も納得でしょう。
2位 鈴木勇斗(すずき・ゆうと) 創価大学
投手 22歳 左/左 172cm78kg
適正:先○ 中△ 抑△
球速:152km
コントロール:35F
スタミナ:63C
←スライダー3
↓チェンジアップ3
小柄な身体からMAX152kmのストレートを投げ込む左腕。
特徴的な二段モーションで投げ、試合を作れる投手。
大学3年秋にMVPを獲得しています。
大学通算四死球率4.86と少し荒削りな部分はありますが、さらに壊滅的だった高橋遥人投手や及川投手を一線級に育てた阪神なら期待してもいいのでないでしょうか。
上手く育てばエース級になれる素質のある投手だと思います。
3位 桐敷拓真(きりしき・たくま) 新潟医療福祉大学
投手 22歳 左/左 178cm90kg
適正:先○ 中○ 抑-
球速:150km
コントロール:59D
スタミナ:56D
←スライダー3
↙カーブ1
↓チェンジアップ2
MAX150kmの速球と奪三振能力が武器の即戦力左腕。
地方リーグ出身で全国区の知名度はありませんが、通算奪三振率11.62、四死球率2.92という数字が示すように能力はかなり高い投手です。
先発でもリリーフでも器用にこなしてくれそうですので、左腕不足の阪神には貴重な戦力となりそうです。
4位 前川右京(まえかわ・うきょう) 智辯学園高校
外野手 18歳 右/左 177cm90kg
適正:外△ 一△
弾道:3
ミート:42E
パワー:55D
走力:35F
肩力:59D
守備力:32F
捕球:30F
高校通算37本塁打、高い打力を持ったスラッガー。高3夏の甲子園では打率.455・2本塁打の活躍でチームを準優勝に導きました。
名門で1年から4番を任されていたことからも分かるようにパワーだけでなく選球眼を兼ね備え、三振も非常に少ない選手です。
反面、守備走塁はイマイチのようで、完成系は松山竜平選手(広島)のようなタイプだと思います。
やや癖のあるフォームですので、木製バットにどれだけ早く適応できるかがポイントではないでしょうか。
将来的には佐藤輝明・井上広大選手たちと一緒にクリーンアップを任せたいですね。
5位 岡留 英貴(おかどめ・ひでたか) 亜細亜大学
投手 22歳 右/右 180cm77kg
適正:先- 中○ 抑○
球速:150km
コントロール:41E
スタミナ:34F
→スライダー3
→カット1
「ロークォーター」とも呼ばれる独特のサイドスローからMAX150kmの直球を投げ込むリリーバー。
即戦力の変則リリーフとして貴重な素材です。
動画でも確認しましたが独特の球が見づらいフォームでしたので、プロで力をつければセットアッパーなど上の位置も狙えると思います。
6位 豊田寛(とよだ・ひろし) 日立製作所
外野手 24歳 右/右 177cm85kg
適正:外○
弾道:3
ミート力:44E
パワー:51D
走力:57D
肩力:61C
守備力:42E
捕球:32F
右方向にも長打を打てる、打力の高い外野手。
東海大相模高校時代は4番として甲子園でホームランを放ち、大学ではベストナインを4回獲得。
社会人でもかなりの好成績を残してきました。
外野手が高齢化&伸び悩みで停滞気味の阪神の中で、下位指名などは気にせずにレギュラー目指して頑張って欲しいです。
近年の阪神のドラ6即戦力は活躍する傾向にあるので期待したいです。
また、筆者と同学年なので個人的にも応援したいですね。
7位 中川勇斗(なかがわ・ゆうと) 京都国際高校
捕手 18歳 右/右 170cm70kg
適正:捕○
弾道:2
ミート:27F
パワー:34F
走力: 55D
肩力:74B
守備力:43E
捕球:42E
高校通算18発、小柄ながら強肩強打の捕手。
高3夏の甲子園では2本塁打を放つなど攻守にわたる活躍でチームを4強に導きました。
肩が非常に強く、フレーミングも評価されている守備型の捕手です。
グラウンド全体をよく見て判断できる司令塔タイプ。
しっかり身体を鍛えて、正捕手の座を狙って欲しいですね。
育成1位 伊藤稜(いとう・りょう) 中京大学
投手 22歳 左/左 178cm86kg
適正:先○ 中○ 抑△
球速:150km
コントロール:34F
スタミナ:50D
←スライダー2
↙カーブ2
MAX150kmのストレートを主体に組み立てる速球派左腕。
高3時に急成長し、大学進学してからも好投を続けていましたが、故障により評価が落ちてしまった投手です。
まずはしっかりと故障を治し、身体を作り上げてから支配下を狙って欲しいです。
ややコマンドに粗さを残しますが、前述のように左腕育成には定評のある阪神ですので、一軍級の投手になれると期待しましょう。
総評
今年も非常に手堅く補強ポイントを埋めてきた印象です。
今年の捕球ポイントはズバリ「左腕」と「外野手」でした。
特に左腕に関しては、中堅中継ぎの岩貞と島本が不振&育成落ちし、エース級の高橋遥人も故障癖があり、まともなのはセットアッパーの岩崎と20歳の及川くらい。
このような状況ではドラフトで補強するしかないでしょう。
その視点で見ると、2位の鈴木と3位の桐敷は即戦力としても評価できますし、育成1位の伊藤稜も面白い存在ですから、的確に埋めてきたと言えます。
また、外野手に関してはレギュラー級がサンズ・近本・佐藤輝くらいしかおらず、彼ら以外は守備走塁要員レベルという選手層の剥離も深刻でしたので、社卒の豊田と高卒スラッガーの前川を獲得して層を暑くしたのは賢い判断でしょう。
全体的に見ても、1位で高卒の大型投手を獲得し、変則リリーフ・高卒捕手まで満遍なく確保できた良ドラフトと言えます。
やや捕手がダブついているようにも思えますが、正捕手の梅野が今オフFA取得ということを考えると、増やしておいて損は無いはずです。
ここ数年阪神のドラフトを追ってきて思うのは、賢い指名ができるようになったという事です。
2018年は即戦力ドラフト(近本・木浪・齋藤)、2019年は高卒ドラフト(西純・及川・井上)、2020年は即戦力ドラフト(佐藤輝・伊藤将・中野)、そして今年は即戦力&穴埋めドラフト(左腕・外野)というように、その年その年でバラバラの方針を取るのではなく、長い目で見てチーム作りをしている事が分かります。
10年以上前の、競合覚悟で大物に突っ込んでクジを外して小粒な選手でお茶を濁したり、クジを外すことを恐れて独自路線の指名をして失敗していた阪神ではありません。
指名した選手たちも着実に結果を残しています。
野手では、16年ドラ1の大山は苦しみつつも2年連続20本塁打を放つ主砲となり、18年1位の近本はリーグを代表する外野手に成長し、今季は最多安打のタイトルがほぼ確実な状態です。
20年ドラ1の佐藤輝は新人球団記録となる23本塁打を放ち、ドラ6の中野はこちらも新人での盗塁王獲得が現実味を帯びています。
投手では、16年ドラ5の青柳が最多勝争いをしており、19年ドラ3の及川もセットアッパー級に成長。
20年ドラ2の伊藤将も新人ながら8勝を記録するなど、活躍をあげればきりがありません。
ファームに目を移すと、20年ドラ4の村上が最多勝(10勝)・最優秀防御率(2.23)・最高勝率(.909)の3冠を獲得。
19年育成ドラ1の小野寺が首位打者(.315)・最高出塁率(.391)の2冠。
19年ドラ2の井上が打点王(50打点)。
17年ドラ4の島田が盗塁王(21個)、というように、ここ数年で指名した選手たちが着実に力を付け、タイトルを獲得しています。
尤も、ここから一軍に定着しなければ「二軍の帝王」になってしまうわけですが、素質のある選手たちを多くドラフトで指名できているのは事実です。
「帝王」が沢山いればいるほど一軍で活躍できる可能性も上がると思うので、来年以降のプロスペクト達のさらなる成長に期待したいと思います。
今年は序盤に快進撃を演じつつも、惜しくも優勝は逃し(そうな感じになってしまい)ましたが、生え抜きの若手を核として助っ人で固めるチーム作りはかなり完成に近づいていると思います。
今後数年以内に優勝できるよう、ドラフトも含めた補強をしっかり行って欲しいです。