頭の中の小さな引き出し

思ったことを書きます。たぶんほとんど更新しません。

「刀ピークリスマス2021」はピーナッツくんに何をもたらしたか

今日からちょうど半年前の2021年12月25日、1本のMVがyoutubeに投稿されました。

その動画のタイトルは「刀ピークリスマスのテーマソング2021/ピーナッツくん」

このMVは驚異的な伸びを見せ、現在の再生回数はなんと487万回を超えています。

また、このMVの初出となった配信「刀ピークリスマス2021」のアーカイブ88万回以上再生されています。

なぜ、このような事態が起きたのでしょうか。

また、「刀ピークリスマス」はピーナッツくんの活動にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。

刀ピークリスマスとは?

そもそも「刀ピークリスマス」とはどのようなイベントなのか、改めておさらいしてみましょう。

にじさんじ所属の人気男性ライバー「剣持刀也」くんと、「ピーナッツくん」がコラボする配信で、2018年12月25日以来毎年クリスマスに行われています。

剣持くんと親密になりたいピーナッツくんが彼の家に押しかけ、ドタバタを繰り広げるというコメディ的な企画です。

基本的にネタを準備してくるのはピーナッツくんで、剣持くんはボケにツッコミつつピーナッツくんの求愛(!?)を受け流す、という立ち位置になっています。

「刀ピー」という謎カップリングもピーナッツくんの発案です。

甲賀流忍者ぽんぽこさんとピーナッツくん(所謂「ぽこピー」)を追っている人で、このコンテンツを知らない人は居ないと言っても過言ではないほど毎年恒例の企画となっています。

刀ピークリスマスソングとは?

刀ピークリスマスソングとは、「刀ピークリスマス」の企画内でピーナッツくんが剣持くんにプレゼントとして贈る楽曲です。

基本的に剣持くんへの愛が歌われており、なかなかに情熱的、そして変態的な内容となっています。

ピーナッツくんが得意とするラップの要素を取り入れつつ、ポップで中毒性のあるキャッチーなメロディが特徴です。

2019年の2曲目からは、配信とは別にMVとしても公開されるようになりました。

これまで公開された3本のMVの合計再生回数は790万回を超え、純粋な音楽としても人気を博しています。

「特別」だった刀ピークリスマス2021

既に書いたように、刀ピークリスマスは4年間毎年行われている企画です。

しかし、「刀ピークリスマス2021」はアーカイブの再生回数もMVの再生回数も他の年に比べて明らかに多くなっています。

この「人気爆発」とも言える現象はどういうことなのでしょうか。

この謎を読み解くヒントは、Vtuberシーンを取り巻く環境の変化にあります。

2018年にVtuberブームが始まって以降、長らくこの業界は男性視聴者が極めて多い傾向にありました。

面白さや可愛さを売りにした女性Vtuberや女性ライバーがたくさんデビューし、彼女たちを応援する男性ファンが増える中で、男性Vtuberは中々伸びにくい状況が続いていました。

当初「四天王」と呼ばれていた大手Vtuber5人が全て女性的な外見だったことからも、その傾向の一端が垣間見えるでしょう。 (注※キズナアイさんはAIなので性別無し、ねこますさんはバ美肉おじさん)

しかし、Vtuber業界の拡大とともに、視聴者の国籍や年齢層・性別は多様なものとなっていきました。

2020年頃からは女性ファンが徐々に増加し、男性Vtuberも活躍の場が広がり始めました。

特に「にじさんじ」は初期メンバーから男性ライバーを投入するなど、男女ともにバラエティ豊かなグループ構成を行っており、Vtuber業界における女性ファンの増加に貢献したのではないかと(個人的に)思っています。

にじさんじ×タワレコのコラボ告知。イケメンライバーがズラリ。

にじさんじユーザについてのデータをまとめたツイート。officialストアやファンクラブに登録しているユーザの比率では既に女性が男性を上回っている(1枚目)。

最近では「叶」さんや「葛葉」さんのような100万人以上の登録者を抱える男性ライバーも現れるようになりました。

▲この2人は「ChroNoiR」というユニットも組んでいます。

他グループもこの動きに追随したことで、現在では性別に関わりなく、まさに老若男女が自分の"推し"を見つけられるようになっています。

「刀ピー」の"刀"こと剣持刀也くんも例外ではありません。

デビュー時から面白いイケメンとして男女関わりなく人気でしたが、右肩上がりに人気が上昇し、特に2021年は前年の2倍近いペースでチャンネル登録者が増加するなど大活躍しました。

▲分析サイト「socialblade」より。剣持刀也くんの躍進がわかります。

https://socialblade.com/youtube/channel/UCv1fFr156jc65EMiLbaLImw

2021年10月21日には、人気男性ライバー4人によるユニット「ROF-MAO」のメンバーとしても活動するようになり、女性ファンはもちろんのこと、業界からの注目度もますます高まっています。

これらのタイムラインを考慮すると、剣持くんを含めた男性Vtuberへの注目度がグングン高まってきているタイミングで「刀ピークリスマス2021」が開催された、ということがわかります。

これは決して意図的なものではないでしょう。

クリスマスの日時は変わらないからです。

まさに偶然のイタズラ

様々な要素が重なったことによって、刀ピー、そしてピーナッツくんは世間に「発見」されることになります。

刀ピークリスマス2021の成功

刀ピークリスマス2021が告知された時、実は私は不安でした。

刀ピークリスマスは既に3回行われており、率直に言えばマンネリ感が否めなかったからです。

ピーナッツくんが剣持くんに言い寄る(笑)展開はこの企画のキモですが、回を重ねるうちに食傷気味になってきており「もう4回目だけど大丈夫?」という気持ちでした。

しかし、蓋を開けてみればこの配信は私の期待を大きく上回るものでした。

よく準備されたピーナッツくんの紙芝居漫談、サウナで築いた人脈を生かしたサプライズ展開、相変わらずクオリティの高いクリスマスソングなどなど…。

どれをとっても過去1番と言っていい仕上がりだったのです。

配信は同時接続者数が最大で3万人以上(前年の3倍近く)に達するなど非常に注目されており、ここでスベってしまえば刀ピーというカップリングが危機に陥るかもしれない状況でしたが、その大舞台でピーナッツくんはしっかり結果を残しました。

配信終了後のツイッターでは「初めての刀ピークリスマスリアタイでした!」と語る視聴者が沢山見られました。

▲刀ピークリスマス初リアタイを喜ぶ人、リアタイを逃して悔しがる人…悲喜こもごもの12月26日。

この人たちはきっと不思議に思っていたでしょう。

「今年からファンになった剣持刀也くん…彼がわざわざ毎年クリスマスに予定を開けてコラボする、この黄色いクリーチャーは一体何者なんだ?」

と。

あるいは既に"予習"して、刀ピークリスマスソングを楽しみにしていた人もいたかもしれません。

実は、前年の「刀ピークリスマスのテーマソング2020」のMVが、2021年のクリスマス以前に100万再生を突破していたのです。

これはまさに、''刀ピー爆発"の前兆とも言える現象でした。

刀ピークリスマス2021の配信内容と楽曲のクオリティは、高まった視聴者の期待に十分答えるものでした。

配信後にピーナッツくんのチャンネル登録者が一気に増えたことがそれを裏付けています。

またこれ以降、Twitterで「ピーナッツくん」や「刀ピー」といった単語が呟かれる頻度はそれ以前に比べて明らかに高くなっており、アクティブなファン層の獲得に成功したことがわかります。

MV「刀ピークリスマスのテーマソング2021」は投稿からわずか11日で100万再生を突破し、釣られて前年のクリスマスソングも200万再生に到達するなど、ピーナッツくんの周囲はにわかに活気づきました。

刀ピークリスマスの功罪

ピーナッツくんのその後の発言を鑑みると、刀ピークリスマスソングの爆発的な再生回数は本人にとって予想外だったようです。

しかし、彼はこのチャンスを逃しませんでした。

クリスマスの興奮冷めやらぬ2022年2月4日、XRライブ「ONAKAnoNAKA」が告知されます。

これは全編無料で開催されたクオリティの高いバーチャルライブであり、新たにピーナッツくんのファンになった人達に彼の"アーティスト"としての一面を強く印象づけるイベントでした。

youtubeで無料公開されたこのライブは、最大同接1万7000人以上を集め、Twitterハッシュタグでもトレンド1位を獲得するなど大成功を納めました。

このライブ以降、刀ピークリスマスソングだけでなくピーナッツくんのオリジナル楽曲MVの再生回数も伸び始めます。

Vtuberとしてだけでなく、アーティストとしてのファンも増えたことがわかるでしょう。

ピーナッツくんの快進撃はまだ続きます。

5月8日には「グミ超うめぇ」 のMVがオリジナル楽曲として初めて100万再生を突破しました。

5月21日には幕張メッセで行われた日本最大級のHIPHOPフェス「POPYOURS」に出演。

その影響でSpotifyの国内バイラルチャート5位に「グミ超うめぇ」がランクインするなど、ピーナッツくんの楽曲が本格的に評価され始めたのです。

今月初めには3rdアルバム「Walk Through the Stars」もリリースされました。

アルバムの感想記事はこちら▼

ピーナッツくんの3rdアルバム「Walk Through The Stars」#ウォクスタ を聴いた感想 - 頭の中の小さな引き出し

▲Walk Through The Starsはダウンロードチャートで週間4位にランクインしました。

一連の流れを見ると、

①刀ピークリスマスによって新規視聴者を獲得

②XRライブによって新規視聴者を音楽に惹き付ける

③MVの再生数やアーティストとしての評価が上がる

④大舞台でさらに実績を残す

というように、刀ピークリスマス2021を起点にして大きな波が出来ていることがわかります。

もちろん、XRライブやアルバムなどはクリスマス以前から企画されていたはずです。

様々な要因が重なった「偶然のイタズラ」だったわけですが、結果的に好循環が発生しているのです。

刀ピークリスマスのテーマソング2021のMVは動画時間が3分未満と短く、それでいてメロディや歌詞には中毒性があるので「ピーナッツくん入門編」として非常に有効です。

中毒性のある動画や音楽を「電子ドラッグ」と形容することがありますが、刀ピークリスマスのテーマソング2021はいわばゲートウェイドラッグ」なのです。

実際に

「友達から教えてもらったけどハマって抜け出せない、助けて」

という声を非常に多く見ることができます。(警察の啓発ポスターかな?)

「刀ピーでピーナッツくん知ったけど、普通に良い曲作るじゃん」

という感想も見られます。

このように、ピーナッツくんの活動において「刀ピークリスマスのテーマソング2021」はひとつのターニングポイントとも言える作品でした。

無料ライブ「ONAKAnoNAKA」でこの曲をセットリストに含めたのは、ピーナッツくん本人がそれをよく理解していたからでしょう。

しかし。

強い薬には必ず副作用が存在するように、刀ピークリスマスソングにも一定の副作用が存在します。

この副見出しを「功罪」としたのはそのためです。

まず第1に、

「刀ピークリスマスソングは知っているけどピーナッツくんの他のコンテンツは見た事がない」

「ピーナッツくんを浅く知っている」

という視聴者層が増えたことです。

これは一見良い事のように思えます。

しかし、こういう人の中では「ピーナッツくんは刀ピーの人」というイメージで固定されてしまい、彼のショートアニメやぽんぽこちゃんねるでの活動までは食指が伸びにくくなる可能性があります。

「ピーナッツくん?あぁ、刀ピーの人ね(笑)」

頼む!もう一歩踏み込んでくれ!

尤も、これは今後の伸び代としてポジティブに捉えることもできます。

第2に、

「ピーナッツくんの音楽活動の代表作が刀ピークリスマスソングだと思われてしまう」

という点が挙げられます。

確かに刀ピークリスマスソングは素晴らしい曲ですし、私も今でも週に何度か聞き返すほど大好きです。

しかし、ピーナッツくん本人が「あの曲の歌詞は1時間で考えた」と語るように、彼にとってあの曲はあくまでラフな気持ちで、剣持くん個人に向けて作った曲なのです。

壮大な身内ネタとも言えます。

つまり「刀ピークリスマスソング」は"Vtuberとしてのピーナッツくんの作品"なのです。

アーティストとしてのピーナッツくんには、他に評価されるべき曲がまだまだ存在します。

MCバトルで有名なラッパー「晋平太」氏がピーナッツくんの曲のリアクションをするという動画が存在します。

この動画内でスタッフさんが刀ピークリスマスソングを晋平太氏に聞かせているのを見て、私は嬉しさもあった半面、なんとも言えない気持ちになっていました。

(本職の人に聞いてもらうのなら、他にも良い曲があるんだけどな…)

(スタッフさん!『笑うピーナッツくん』もお願いします!)

そのような意味では、「グミ超うめぇ」がミリオンを突破したのは個人的に非常に嬉しい出来事でした。

とてもキャッチーな曲で代表作に挙げるにはピッタリですし、数字としての箔もつくからです。

全体的に景気の良いぽこピー

最後に少しマイナスな点を挙げてしまいましたが、刀ピークリスマスソング2021が伸びていることはファンとして素直に嬉しいです。

このペースであれば夢の1000万再生も可能かもしれません。

また、次なる刀ピークリスマスソングへの期待も高まります。

グミ超うめえの100万再生に加えて、ぽんぽこ24vol.6のアーカイブも相次いで100万再生を超えるなど、最近のぽこピーを取り巻くニュースは景気の良いものが多いです。

刀ピークリスマス2021からおよそ1ヶ月後、youtuberの「みの」さんは、自身が投稿した動画の中でピーナッツくんのことを「発見待ち」と表現されていました。

まさに今のピーナッツくんは「発見されかけている」状態と言えるでしょう。

7月からはピーナッツくんのワンマンライブツアーも開始します。

▲渋谷マルイでポップアップストアもOPENするようです。

2022年が、ぽんぽこさんにとっても、そしてピーナッツくんにとっても、さらなる飛躍の年となるのは間違いないでしょう。

ピーナッツくんの3rdアルバム「Walk Through The Stars」#ウォクスタ を聴いた感想

2022年6月1日、Vtuber/ラッパーとして活躍するピーナッツくんの待望の3rdアルバム「Walk Through The Stars」が発売されました。

この記事では、私がこのアルバムを聴いた感想や考察、妄想を書いていきたいと思います。

(筆者の妄想が激しいのでご注意ください。)

アルバム全体が一つの作品に

1stアルバム「False Memory Syndrome」や2ndアルバム「Tele倶楽部」でもそうでしたが、ピーナッツくんのアルバムはただ曲の寄せ集めではなく、全体を通して一連のストーリーが語られる構成になっているように感じられます。

今作「Walk Through The Stars」も同じで、過去作含めた3作の中でも特にその傾向が強い印象を受けました。

私は実の所、ヒップホップ含め音楽にはあまり詳しくありません。

しかし、音楽を聴くことと、曲の歌詞からあれこれ考えるのは大好きです。

アルバムの収録順や全体のテーマを踏まえて歌詞を読んでいくと、ピーナッツくんの考えている事が透けて見えてくるようで、なかなか楽しいです(キモ・オタク)。

以下にそれぞれの曲から見えてくるストーリーを書いていきたいと思います。

1.Roomrunner

ピーナッツくんは「ぽんぽこちゃんねる」で投稿された動画の中で、罰ゲームとして1日6000歩をウォーキングしなければならないというノルマを課されてしまっています。

屋外を歩くだけでは大変なので、室内でもノルマをクリアできるようにルームランナーを購入しました。

この曲のタイトルはそれに由来していると考えられます。

歌詞には

「Wake up in the morning」

「On a treadmill I do ride that まるで魔法のカーペット 原動力は僕の足なんです」

という箇所があり、朝に目覚めたピーナッツくんがルームランナーでランニングをこなしているという日常風景が浮かんできます。

「仮想的なスピードラン」という意味で「エアライダー(カービィのエアライド)」と「シティトライアル(エアライドの中のゲームモード)」というゲームに由来する単語が引用されています。

こちらはバイク用語とのダブルミーニングになっており、言葉遊びも面白い1曲です。

2.Fulltracker

ピーナッツくんのVtuberとしての活動内容の一端が垣間見える曲です。

フルトラッキング、つまり3Dモデルを使った動画を撮影する時の様子が歌われており、

GANTZに呼ばれたみたいなmybody」

という歌詞が面白いです。

画像検索してみるとわかりますが、モーションキャプチャーに使われるトラッキングスーツとGANTZスーツはそっくりなのです。

「6点つけて動くVIVE

東京Studio行って動くVICON

OculusならQuest2 & Go

valve index めっちゃハイコスト」

など、撮影用機材の名前がたくさん出てきます。

3.Makeup

筆者お気に入りの曲。

ピーナッツくんが自分の姿をさらに「オシャレ」にするためにメークアップ=装い飾ろうとしている曲です。

他の方の感想でなるほどと思ったのは、

「鏡の中に映った ぼくをまとめて Make up!」

という歌詞は「兄ぽこの視点で画面に映るピーナッツくんを見たもの」である、という考察です。

ピーナッツくんには2D・3Dを含め多くのモデルがありますから、それらをよりオシャレに磨いていこう、というピーナッツくんのご主人様=兄ぽこの意欲が感じられるような気がします。

「Made in さえき それにheart in

これぞまさに これぞまさにって」

という歌詞からは、現在使用している3Dモデルの製作者である「さえきやひろ」さんとモデルへの並々ならぬ想いが感じられます。

4.KidsRoomMen

タイトルそのままズバリ、「子供部屋おじさん(所謂"こどおじ")」の曲。

ピーナッツくんは自分のホームは原宿だと言い張っているので、この歌は現在も滋賀の実家に住みながら活動する「兄ぽこ」の視点が多く含まれていると推測できます。

「おもちゃ箱みたいな居場所 たまには外に出なきゃだろ」

「まだ振り出しにいる ゴールはここにある」

という歌詞からは、現状に対する複雑な葛藤が滲み出ています。

しかし、最後の

「この大きくなった影を 包み込む私だけの KidsRoom yey

あの子じゃできないこと やってのけるのさ」

という部分からは、自分はまだまだ滋賀をレペゼントしながら活動していくぞという意気込みも感じられます。

ちなみに筆者も田舎住みのこどおじです。

5.KFC

タイトルを見た時にケンタッキーフライドチキンかな?と思っていたら、本当にケンタッキーフライドチキンの曲でした。

聴いていると「平和堂(滋賀県を中心に展開しているスーパーマーケット)のフードコートでケンタッキーをうめ…うめ…と1人で貪るピーナッツくん」の姿が浮かんできて、笑いを禁じ得ません。

グミの美味しさをひたすら語る「グミ超うめぇ」と対を成すような楽曲となっています。

6.PEEPEE

恐ろしげな読経のサンプリングから始まる本アルバム屈指の「怖い曲」。

タイトルは「ペーペー=素人、技量や経験の劣るもの」に由来していると思われます。

曲中では周囲のレベルの高さやミスマッチ感に引け目と劣等感を感じるピーナッツくんの姿が描かれています。

経験を積み、最近では様々な大舞台に呼ばれることも増えたピーナッツくんですが、その分悩むことも増えたのでしょうか。

「頭の良い人たちいる周り

専門用語なに?知らん また喋ってる」

とあるので、イントロのお経は「素人の自分には難しい専門用語が念仏の様に聞こえる」という意味が込められているのかもしれません。

7.TotaKK

今アルバムの中で個人的に一番難解に感じた曲です。

タイトルはゲーム「どうぶつの森」シリーズに出てくる歌手のキャラクター、「とたけけ」に由来すると思われます。

彼は基本的に夜中に歌を歌うので、自室で楽曲制作を行うピーナッツくん/兄ぽこの曲だと私は解釈しました。

8.Tamiflu(feat.チャンチョ)

今アルバム唯一のフィーチャリング楽曲。

熱に浮かされたチャンチョが彼独特のトーンでしっとり歌いあげます。

熱がある時に見る夢のようなMVも印象的でしたが、アルバムの中で他の曲と通して聴くと「TotaKK」で深夜に楽曲制作をしたピーナッツくん/兄ぽこが根を詰めすぎてしまい、夜中に熱を出してしまったor体調を崩した、というストーリーが見えてくる気がします。

非常に情景的な曲です。

9.respawn

ピーナッツくん/兄ぽこの現在のVtuberシーンへの想いが伝わってくるような楽曲。

「適当なラクガキから ビックリするようなコンビ

僕らロックマンエグゼのように 走って飛び込んだよ till morning」

という歌詞は、ぽんぽことピーナッツくんの「ぽこピー」コンビのことを指しているのでしょう。

morningはVtuberにとっての朝の時代、2018年頃のことを言っているのかもしれません。

この曲は歌詞の一つ一つが重く、現在に至るまでの4年あまりの間にピーナッツくん/兄ぽこが経験してきた様々な思い出が込められているように感じます。

「僕らは行き詰った 想像の中でほぞを噛んだ

もう少し ここに居座るよ まだ

よくわかんない」

という部分は、活動の中で日々感じる葛藤や悩みが伝わってくるようでいたたまれません。

初めこの曲を聴いた時、「ピーナッツくんは活動をまとめに入っているのか?」と少し不安な気持ちになったものです。

しかし、Tamifluと続けて聴くと「夜中に薬を飲んで熱が下がり、ベッドの中でぼんやり物思いにふけるピーナッツくん/兄ぽこ」の姿が脳裏に浮かんできて、勝手に納得してしまいました。

9.Youngpixar

Pixar」とは、元々スペイン語「to make pictures」という意味がある言葉です。

ディズニーに属するピクサーアニメーションスタジオの名前の由来にもなっています。

曲中では、創作活動で悩む兄ぽこの姿を垣間見ることができます。

「まだガレージバンドの中」という歌詞がありますが、ガレージバンドは初心者向けの音楽制作アプリのことです。

昔挑戦した作りかけの曲が、兄ぽこのMacの中にはまだ眠っているのでしょうか?

そしてまたもや

「寝れないやこんな日は」

という歌詞が。

大丈夫?不眠症になってない?

11.Petbottlerocket

今アルバム屈指のキラーチューン。

ここまで数曲続いていた落ち着いたトーン、悪く言えば鬱々とした雰囲気を一気に吹き飛ばす爽快感が素晴らしく、非常にかっこいい曲です。

「LANケーブルが壁を破っては 仮想現実感 over」

この部分とかもう劇場版アニメの主題歌でしょ…。

「KidsRoomより

もっと広い世界を見据えて動いてんだ

ここはopenworld」

という歌詞からは、さらに活躍の場を広げたいという強い意志が見えます。

「かたや現実感を残して 机の中にしまうbadday」

と歌っているように、日々の悩みが完全に吹っ切れている訳では無いでしょう。

しかし、

「ここはopenworld

眺めているよ目下

行きあたるはずさどっか」

と歌うピーナッツくんからは、停滞の雰囲気は少しも感じられません。

12.Walk through the stars

アルバムの表題曲。

月まで届くロケットのような勢いだった前曲からは少し落ち着き、ピーナッツくん/兄ぽこの現在地、リアルな今の心境が歌われます。

「知り合いとかマジいらない

僕にはマジいらない

友達を作りたいよ ほんとのこと話したいよ」

という心からの叫びが哀愁を感じさせます。

ペットボトルロケットに乗って宇宙へ飛び出し、星々の中を進んで行くピーナッツくん、そして兄ぽこ。

キラキラと輝く星は一体何を意味しているのでしょうか。

友達?

それとも「きみ」でしょうか?

答えはハッキリとはわかりませんが、悩みながらも進み続ける若者の等身大の想いが胸を打ちます。

13.DR_0000_0212.wav

兄ぽこのボイスメモ。

兄ぽこファンへのボーナストラック…というより、アルバム制作をしていく中で生まれたリアルな"素材"なのでしょう。

ウォーキング中なのか、何度か深い息をつく兄ぽこ。

疲れを見せながらも、彼の足を進める音は止まることがありません。

今後のさらなる飛躍を期待させてくれるトラックです。

▼他の方の記事ですが、ボイスメモについて興味深い考察をされています。こちらもぜひ。

総評

今作が「False Memory Syndrome」や「Tele倶楽部」と明らかに違うのは、ピーナッツくんと兄ぽこの境界が薄れているような曲が多いということです。

ピーナッツくんと兄ぽこが融合しつつあるという考え方も出来ます。

私が思うに、これまでのピーナッツくんがいなくなってしまったのではなく、兄ぽことより深く結びついた新しいピーナッツくんが生まれる(respawnする)過程にあるのかもしれません。

アルバム全体のストーリーの流れとしては、Roomrunner~KFCではピーナッツくんの日常が描かれ、PEEPEE以降は兄ぽこの心象風景が少しずつ前に出てきます。

respawn~Youngpixarで語られるクリエイター/アーティストとしての悩みを経て、Petbottlerocketで前向きな想いが高く「打ち上げられ」るのです。

また、Roomrunnerの「朝」から昼間の日常が過ぎて次第に夜になっていき、アルバム終盤にかけてまた朝が来る、というような時間の流れを感じることもできます。

内面の悩みや葛藤を吐露するような曲が多く、ピーナッツくん/兄ぽこの存在がよりリアルに浮き出てくるような印象を受けます。

ピーナッツくんが「False Memory Syndrome」と「Tele倶楽部」で示した「存在証明」や「尖り」とは少し毛色が違います。

心の内側の素の部分が見えるという点では、一種の歩み寄りにも似たものを感じさせるアルバムです。

しかし、その「歩み寄りに見えるもの」は決してこちら側への譲歩ではなく、アーティストとして成長していく中で自然と足が向いた道にほかなりません。

アルバムを出す度に進化し、今作でまた1段階進んだ感のあるピーナッツくん。

次はどんな輝きを私たちに見せてくれるのでしょうか。

追記:Walk Through The Starsがビルボードチャートウィークリー4位にランクインしていたようです。

#ぽんぽこ24 「POSUKE」企画から考える、エンタメ成立の難しさ

お久しぶりです。

前回の記事からもう2ヶ月…。

時の流れは早いですね。

さる5/7~5/8、「ぽんぽこ24 Vol.6」が開催されました。

「フューチャー」をテーマに、今回も豪華ゲストを迎えつつ、ぽこピー史上初の試みとなるスタジオからの生放送が行われました。

企画は大成功のうちに終了し、筆者も(徹夜と出勤でヘロヘロになりつつ)とても楽しむことが出来ました。

今回のぽんぽこ24でも趣向を凝らした様々な企画が準備されていたのですが、その中でも個人的に興味深かったのが「POSUKE」という企画でした。

企画の面白さ以外にも色々と考えさせられることがあり、この記事を書くことにしました。

「POSUKE」とは?

この「POSUKE」という企画は、任天堂製のゲームソフト「スーパーマリオメーカー2」で作られたコースに参加者たちが挑戦し、各々がクリアを目指すというエンタメ番組です。

TBS系列で放送されているスポーツエンタメ番組「SASUKE」のパロディ企画でもあります。

ぽこピーにしては珍しいゲーム系の企画で、チャンネル登録者数300万人超えのゲーム実況者「ポッキー」氏などが参加する事でも注目されていました。

課題となるコース制作の監修は、マリオメーカーシリーズを6000時間以上プレイし、世界最難関とも言われるコース「Daphne's finale」を投稿した「solea」氏が務めました。

参加者たちにはそれぞれ1週間の練習期間が与えられ、事前に準備しつつ本番に臨んだわけですが、ここで思わぬ事態が発生します。

コースが難しすぎて脱落者が続出したのです。

トップバッターの「鬼灯わらべ」さんは、スタート直後にミスをしてしまい悔しさで号泣。

急遽再走を含めた2回勝負にルールが変更されましたが、またもやスタート直後にドボン。

▲鬼灯わらべさんは本来は実力のある人です

「葉加瀬冬雪」さんと「ポッキー」さんも苦手なポイントでミスをしてしまい、どちらもゴール出来ず。

▲何故か画面共有が上手くいかず画面直撮りのポッキーさん。黎明期のニコニコ動画??

「のばまん」氏はクリア直前まで進みましたが、こちらも惜しくもクリアならず。

事前準備があったとはいえ、本番にかかるプレッシャーは別。

しかも2万人以上の視聴者の目線に晒されていたわけですから、参加者の緊張は推して知るべしでしょう。

雲行きが次第に怪しくなり、コメント欄の視聴者も諦めムードが濃くなってきた頃、ついにラストの挑戦者、ホロスターズ所属「影山シエン」さんに順番が回ってきます。

企画者であるぽこピー2人や解説に駆けつけたsoleaさん、そして視聴者の全てが「クリアしてくれ…!」と祈る中、シエンさんは何度も危険な状態になりながらも、2走目でついにコースクリアします。

ハラハラして手に汗握りつつ見ていた私も、シエンさんがゴールした時は思わず「すげえ!」と声を出してしまいました。

それまでの挑戦者が全て脱落し「クリアは無理なのでは」という雰囲気が漂っていた中で、最後の挑戦者がギリギリでクリアする展開は、エンタメとしてまさに理想的。

後から振り返るとむしろ出来すぎとも思えるほどでした。

シエンさんの超ファインプレー

シエンさんのコースクリアは、単にクリアしたというだけでなく、POSUKEという企画全体を救う超ファインプレーでもありました。

もし誰もコースクリア出来なければ、「まぁ…難しいからしょうがないよね…」という、何とも残念な空気が参加者と視聴者の間に広がってしまったことでしょう。

企画者であるぽこピーの2人もダメージを受けたはずです。

また、(本人も危惧していましたが)コース製作者であるsolea氏にも「難易度が高すぎるんだよ!」というクレームが寄せられていたかもしれません。

POSUKEは今回のぽんぽこ24でもかなり前半の企画だったので、ここで躓くと後の企画に尾を引いてしまっていた可能性もあります。

まさしく「エンターテイメントの危機」でした。

このように、シエンさんのファインプレーは色々なものを救ったのです。

今回のぽんぽこ24において、非常に重要なポイントだったと言えます。

しかし。

私はこの企画が終わった時、あるVtuberの事を思い出していました。

高難易度のゲーム…。

おいおい、誰かを忘れてるんじゃないか?と。

This is コモラ

そう、ぽこピー界隈で「高難易度ゲーム」と言えばコモラさん以外にいません。

(誰?と思われた人はこちらの記事も参照してください。)

ぽこピーの2人もそれは理解していたようで、POSUKE企画とは別の枠でコモラさんを呼び、同じコースをプレイするように依頼していました。

コモラさんは朝のフリー枠に颯爽と現れると、いつもの如くイキり散らしながらコースをプレイ。

▲コモラさん登場は2:19:20頃から

ぽんぽこさんと雑談を交わす余裕を見せながら最終ステージまで辿り着き、一発勝負でクリアしてみせました。

アクロバティックなショートカットを連発し、最後にはコースの欠陥ポイントを指摘することさえしたのです。

ぽんぽこさんの「10回中何回クリアできますか?」という質問には「10回中9回」。

ピーナッツくんに「緊張してるじゃん」と言われると「緊張してるよ。だって10回に1回はミスるから(笑)」。

か、かっけぇ…!!

まさにリアルなろう系…!

連載でこんなキャラ出てきたらコメ欄で叩かれるぞ…!

コモラさんの圧倒的なゲームスキルとイキりをこれでもかと見せつけられた一幕でした。

しかし、私は感動しつつもなんとなくもどかしい気持ちを抱えていました。

「コモラさんがPOSUKEに出ていれば、彼のスキルをたくさんの人に見てもらえたのに…」

と。

私はコモラさんのファン(所謂"コモラー")なので、推しであるコモラさんがたくさんの人の快哉を浴びる場面をどうしても妄想してしまうわけです。

あのコースの難易度の高さが最も強調されていたタイミングでコモラさんがクリアしていたら、彼のファンがもっと増えたのではないか、と思ってしまったのです。

しかし、もう少し落ち着いてからさらに考えていくと、そんなに物事は単純ではないという事に気が付きました。

何をやったか、誰がやったか

コモラさんは今回の企画へ向けて練習する中で、このような発言をしていました。

「このメンツにね、コモラさん混じってしまったらね…」

「逆にね、僕が企画に呼ばれて、あっさり一発目にクリアしても盛り下がるからね。こいつぽこピーの身内やろみたいな。」

▲練習動画で語るコモラさん

そう。

コモラさんは分かっていたのです。

POSUKEという企画がエンタメとして成立するには、「ゲームスキル」と「知名度」の両方が必要だということを…。

POSUKEに参加していた配信者さん達はファンが多い人ばかりでした。

チャンネル登録者で見ると、ポッキーさんが最多の322万人。

1番少ない鬼灯わらべさんでも15.1万人と、全員が10万単位のファンを抱えています。

対してコモラさんは1.73万人。

私は数字が全てではないと思っていますが、やはり知名度で見ればコモラさんはまだまだ発展途上です。

「何をやったかより、誰がやったか」という有名な言葉があります。

芸能人などでもそうですが、「ファン」という存在は「推しの姿を見るために」ライブや映画・番組を見る傾向が強いように思います。

声優や俳優の場合、推しが演じるキャラに感情移入する人も多いでしょう。

POSUKE視聴者の中には、参加者さん目当てで配信を見に来ているファンも多く、その中に知らないコモラさんがいても、感情移入や応援をするのは難しかったでしょう。

また、コモラさんは"イキり"が持ち味のキャラでもあるので、初見の視聴者が多いと厳しかったかもしれません。

ファンとしては悔しい気持ちもありますが、コモラさんにとってアウェーな環境だったと考えると、致し方無いのかなと思います。

ぽこピーもその点を予想していたからこそ、緩い空気が流れる朝の枠にコモラさんをキャスティングしたのでしょう。

知名度と実力、そしてキャラクター性まで考え、(生配信なので)タイムキープもしなければならない…。

シエンさんのファインプレーの件も含め、エンタメを成立させるのは難しいものなんだなぁ…と改めて実感しました。

月見草よりど根性野菜

今回の企画でもう1つ気付いた点は、高難易度ゲームの世界のディープさです。

soleaさん監修のマリオメーカー2のコースは、我々一般のゲームユーザにしてみれば「難しすぎる」ものでしたが、コモラさんのような高難易度ゲーム常連のコアユーザにとっては「簡単」なのです。(配信での発言より)

あくまで私見ですが、ゲーム実況動画で人気を集めるゲームは基本的にプレイ人口が多いゲームであり、その理由は「多くの人が共感できる」からだと推測しています。(例外ももちろんあります)

「このクリア方法、自分も試してみよう!」

「そのミス、わかる。俺もよく引っかかったよ」

というように、共感出来たり自分で再現できるから盛り上がれるのだと思います。

バグ動画も人気ですが、GTAシリーズやゼルダの伝説Botw、ポケモンのように、元々のプレイ人口が多いゲームがネタになるケースが多いと感じます。

RTAやスピードラン系の競技性があるジャンルも一定の人気がありますが、一般層にとっては再現性が低く共感が難しいため、メインストリームまで浮上することはなかなかないようです。

まして「Jump King」「LOST EGG」「Celeste」のB面やC面のような「初めから鬼畜ゲー・死にゲーが好きな人をターゲットとしたゲーム」などは尚更でしょう。

プロ野球選手の野村克也氏は、高い実力を持ちながら人気選手の陰に隠れていた自分のことを指して、

「長嶋や王(人気選手)はひまわり。私は日本海の海辺に咲く月見草」

と詩的に例えました。

高いゲームスキルを持ちつつ、ゲーム実況のメインストリームからはやや外れ、コアな高難易度ゲームをプレイするコモラさんのような配信者達にも、この比喩は当てはまるかもしれません。

しかし、私はコモラさんには別の印象も抱いています。

コモラさんのゲームスキルの高さは動画を見てもらえばわかりますが、彼の本当の凄さは忍耐力と諦めずに挑戦する力、つまりメンタル面にあります。

以前の記事でも紹介した通り、難易度が高すぎてクソゲーに片足を突っ込んでいるようなゲームでも諦めずにプレイする胆力には驚くべきものがあります。

また高難易度ゲームに対するアンテナも広く、有名配信者が見つけてブームになる前に手をつけている事も多いです。

▲Jump Kingの実況動画。コモラさんは日本で話題になるより先に一足早くプレイしていた

先程、コモラさんのイキりを「なろう系」のようだと表現しましたが、なろう系と言っても「俺、なんかやっちゃいました?」というタイプではありません。

練習動画を見てもわかるように、コモラさんはひたすら死にまくりながらコースを攻略していました。

▲練度が上がっても、やはり凡ミスはある。これが死にゲーの醍醐味

元々持っているスキルに加え、何度も練習して努力するからこそ、イキれるほどの実力を手に入れることが出来たのです。

このことを考えると、私はコモラさんは月見草というよりは「ど根性野菜」のようだと思っています。

ど根性野菜 - Wikipedia

ニッチなジャンルに根を張り、コンクリートのように厚い難関を突破してクリアという実を結ぶコモラさん。

これからも視聴者に、コモラさん流のエンタメとイキりを存分に見せつけてもらいたいものです。

"レンタルぽこピー"ウィークで見えた「Vtuberの原風景」

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2022年3月。

私は少々疲弊していました。

不穏な世界情勢。

迫り来る花粉症。

Vtuberの始祖、「キズナアイ」の無期限活動休止。

大物Vtuberのスキャンダルと解雇、そして暴露。

Twitterトレンドに「Vtuber」が上がる時はだいたい炎上関連。

自分にとって娯楽や趣味であるはずのVtuberに影が差している。

そう思う時もありました。

さらに追い打ちをかけるように、筆者の最推しV「甲賀流忍者ぽんぽこ」さんの編集用パソコンが壊れてしまい、動画投稿が出来なくなるという悲劇が起こります。

もう終わりだよこの世界。

しかし、ぽんぽこさんとピーナッツくんはこの危機的状況をチャンスに変えました。

新しいパソコンが届くまでの1週間、コラボの誘いに乗りまくってその数を競うという企画、「レンタルぽこピー」を立ち上げたのです。

正直な話、筆者は当初「確かに面白そうだけどコレジャナイんだよなぁ」と思っていました。

私はぽこピーの2人が楽しく喋っている動画が好きなのであって、他のVにはそんなに興味が無かったのです。

しかし、コラボ動画が積み重なるにつれ、その感情は薄れていくことになりました。

尋常じゃない「フッ軽」さ

まず私を驚かせたのは、ぽこピー2人のフットワークの軽さです。

ぽんぽこさんは以前から知らぬ間に面白いコラボを取り付けてくることに定評があり、「ぽこピーの渉外担当」とも言える立ち位置でした。

しかし、今回の企画でピーナッツくんの"フッ軽"ぶりも相当なものであると気付かされました。

ピーナッツくんはコミュ障キャラとしても知られており、企画当初は

「ちゃんとコラボの誘いに乗れるのか?」

「ぽんぽこに惨敗してしまうのでは……」

という危惧の声もファンからは上がっていました。

しかし、蓋を開けてみればぽんぽことピーナッツくんのコラボ数は非常に僅差となっており、心配は全くの杞憂であったことがわかります。

7日間の企画の中で、2人がコラボした動画は実に40本を超えており、それぞれの撮影時間を考えると相当にハードなスケジュールだったのではないでしょうか?

レンタルぽこピー - YouTube

そんな中でも疲れを見せずに元気に振る舞うぽこピーのバイタリティの高さには驚かされます。

コラボ動画の多様さ

次に感心したのは、コラボしたVtuberさん達の企画の多種多様さです。

私が今回のレンタルぽこピー企画を気に入るきっかけとなった動画をご紹介しましょう。

「アメひとつ」さんとピーナッツくんのコラボである「カニvsヤドカリ!」配信です。

▲2人ともペットを「キモッ!」と思う瞬間があるそうです。

なんだそりゃ?と思う人が多いと思いますが、本当に「なんだそりゃ?」です。

ピーナッツくんはサワガニをペットとして飼っているのですが、アメひとつさんはヤドカリをペットとして可愛がっているので、どちらが可愛いか甲殻類トークで激論を交わす、という内容の配信です。

わからん!(千鳥ノブ)

しかし、これが不思議と面白いのです。

アメひとつさんのテンポの良い上手なトーク回しによってピーナッツくんも楽しそうにしていましたし、2人が「キモカワ」で意気投合して視聴者が置き去りになる様子は、まさにヤムチャ視点でした。

企画は好評のうちに終わり、アメひとつさんのチャンネル登録者数がコラボ前の数倍に激増するなど、埋もれていたVtuberさんを発掘する機会としても有意義なコラボとなりました。

ぽんぽこさんと「2次元カメラマンVtuber」のKAZUMAさんのコラボでは、3DアバターをVRchat内のブースで撮影し、現実の写真と同じように仕上げるという、なんとも近未来的な企画が行われました。

▲オシャレすぎるKAZUMAさんの服にも注目。

今後「メタバース」やVR技術がさらに活用されるようになれば、当然仮想空間内での写真撮影やモデルの仕事も需要が出てくると考えられます。

いつか到来するであろうバーチャルな新世紀に思いを馳せる良い機会となる動画でした。

ピーナッツくんが「紫桃あのん」さんとコラボした動画では、「遠隔操作クッキング」が行われました。

▲無駄にイチャイチャしててこっちが恥ずかしくなってきます。

遠隔操作でスーパーの食材を買ってきてもらい、ちゃんとした料理が作れるのか検証する企画です。

ピーナッツくんとあのんさんは以前に「バーチャルバチェラー」という企画で面識があり、"フッた元カノ"という設定の元に繰り広げられるむず痒いトークはなかなか味わい深く、私のお気に入りの動画の1つとなりました。

他にも沢山のオススメ動画があります。

ガチ恋さんが出演する寸劇コラボ落ち着いたトークが楽しめるラジオコラボテレビ出演・MV出演コラボピーナッツくんがとち狂った魔法少女たちに翻弄された挙句衝撃の結末を迎える懐古厨歓喜のちあめあコラボなどなど、挙げ出せばキリがありません。

▲普段は出てこないぽんぽこさんの一面が見られます。

▲こちらもクリエイターとしてのピーナッツくんのスタンスが見えるラジオ。

▲退廃的な曲調が印象的な楽曲コラボ。

▲安心してください。2人は頭がおかしいんです。

ぽんぽこさんは持ち前のコミュ強ぶりを活かしたVRchat内での「オンライン・オフコラボ」(意味不明だけどこう形容するしかない)の動画が多い傾向がありました。

一方のピーナッツくんは、持ち前の女たらし属性(!?)を活かした女の子とのコラボや、ラップコラボを多くこなしていました。

企画内容にもそれぞれの持ち味が発揮されており、その違いも楽しむことが出来ました。

また登録者帯に関係なくコラボに応じており、数字や経歴に左右されない2人の良さが出ていると思いました。

Vtuberの原風景

今回の「ぽこピーレンタル」を通じて、私は2018年のVtuberに初めて触れた頃を思い出しました。

企業・個人問わず次々に出てくる得体の知れないVtuberたちを見て、新しい文化の萌芽を感じつつワクワクしていたのを覚えています。

まだ色んな人が活動方針を模索していた時期で、当時は非常に荒削りなVtuberや企画が沢山ありました。

ぽこピーもその中の1つでした。

コミケで撮影したVtuberコスプレの写真をLive2Dモデルの横に並べて、勝手に「コラボ」と言い張っていた事もありました。

今回のぽこピーレンタルコラボでも荒削りなものはある程度ありました。

前述したような「勝手にコラボ」系の動画もありましたし、配信でのグダリも見られました。

このような"粗さ"や"ミス"は減らしていくべきものですが、一方でそれを恐れてチャレンジしなければクリエイターは成長できません

一般に物事は洗練されるとクリエイティビティを失うと言われています。

安定を求めると冒険しなくなるからです。

だからこそ、業界のトップランナーたちは挑戦を忘れません

挑戦と失敗こそクリエイターの根幹をなすものなのです

今の自分は洗練されたものに触れすぎて、ちょっとの綻びさえも許容できなくなっていないだろうか?と改めて自問する機会になりました。

Vtuberの誕生から4年以上が経過し、配信者やファンの裾野が広がると共に全体的に停滞するような空気を感じていましたが、根底の部分では初期の頃と何も変わっていない、と改めて思いました。

私は初期から一貫して「Vtuberアバター文化の1つであり、隠れていた才能が表に出てくるためのものだ」というスタンスでしたが、今回の企画はその実感を強めてくれました。

Vtuberは「時期尚早のカルチャー」だ - 頭の中の小さな引き出し

▲こちらの記事も参照。

そこにあったのは、私がVtuberを追い始めた時に見たものと変わらない、まさに原風景でした。

ちょっと普通では思いつかないような、または思いついてもやらないような企画にチャレンジする人がいます。

まだ全然世間に見つかっていないけど、実はすごい事をやっている、そんな人がいます。

こんな人達がアバターと共にネットの海に潜伏しているからこそVtuberは面白いのです。

上辺の数字や一部の派手な部分だけを見て、「絵がゲームやってるだけじゃん」だの「Vtuberは死んだ」だのと言う人がいますが、それはやはり勿体ない見方だと思います。

Vtuberの世界はまだまだ続いている。

これからも色んな面白い人達が出てくる。

そう期待を抱く機会を与えてくれたぽこピーと、コラボしてくれた全てのVtuberさん達に感謝したいです。

ガチ恋ぽんぽこ3年史 ~"ガチ恋さん''はいかにして人気者となったか~

あ~う~❤ひひ~ん❤

どうも、最近はなぜか筆がノッている筆者でs…あぁ!ブラウザバックしないで!

え?

冒頭に変な馬がいた?

な、なんて失礼な……。

これは「ぽんぽこちゃんねる」の人気者、ガチ恋ぽんぽこ」さんの挨拶です。

どう見ても馬?

やっぱりそうですよね…。(冷静)

気を取り直して。

今回の記事では「ガチ恋ぽんぽこ」についての話題を、これまで辿ってきた歴史を中心に取り上げたいと思います。

ガチ恋さんに脳を乗っ取られないように、適度に休息を置いて読んでください。

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ガチ恋ぽんぽことは?

まず、ガチ恋ぽんぽこ」とは何者なのでしょうか。

彼女が初登場したのは2018年8月30日、ぽんぽこちゃんねるで行われた「NEW PONPOKO 発表会!!!」という生放送でした。

▲登場は5:45~。

ガチ恋ぽんぽこの特徴として、

  • 大きくつぶらな瞳
  • たれ目気味のたぬき顔
  • 美脚を強調したファッション
  • 媚びるような萌え(?)声
  • 舌足らずなあざとい喋り方

という要素があります。

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▲最新バージョンのガチ恋ぽんぽこさん。美脚が素晴らしい。

甲賀流忍者ぽんぽこ」が忍術によって変化した姿であり、消費するチャクラ(エネルギー)が多いために長時間の行動は出来ない、という謎にロマンを感じる設定もあったりします。 (実際はぽんぽこが恥ずかしがって精神力が持たないからです。)

動画で登場する際にはフリー音源の楽曲「星屑サラウンド」が流れるのがお約束で、実質的な彼女のテーマソングとなっています。

ちなみに「ガチ恋ぽんぽこ」という名称は当初から決まっていた訳ではなく、視聴者に対して「ガチ恋して~!」と頻繁に要求することから付いた通称でした。

後に本人が動画の中でガチ恋ぽんぽこだ~お❤」と名乗り始めたことで公式となりました。

最近はガチ恋さん」という敬称付きの呼び方も定着しています。

また、なぜかピーナッツくんの事を「大魔獣ちゃん」と呼びます。(理由は完全に不明。)

ガチ恋ぽんぽこの歴史

今でこそ人気者となっているガチ恋ぽんぽこですが、彼女のキャリアは決して順風満帆とは言えないものでした。

甲賀流忍者ぽんぽこ」としての活動初期に使われていた2Dモデルは、視聴者から「色合いが地味」「あんまり可愛くない」「伸びた時が怖い」という不評をたびたび受けていました。

f:id:aidnoyatsudayo11:20211223014136j:plain ▲「伸びた」状態のぽんぽこ。この動きのせいで「化け狸」と呼ばれたりしていました。

当時の2018年はまさにVtuber群雄割拠の時代」であり、個人企業問わずビジュアルの優れた新人が続々とデビューしていました。

そんな中で地味なぽんぽこの初期モデルを使い続ければ、「いずれは流行に置いていかれるのでは無いか?」と危惧されていました。

そこで、ぽんぽことその実兄である兄ぽこは新たな姿を実装することに決めます。

それが「ガチ恋ぽんぽこ(当時は特定の名前なし)」だったのです。

「NEW PONPOKO」と銘打たれて登場した新モデルでしたが、視聴者からの評価は賛否両論でした。

当時のコメント欄からいくつか引用しましょう。

「もどして」

「母親が萌声出し始めた」

「旧モデルの良さを逆に伝える高等テクニック」

「可愛かったよ」

「笑顔が滅茶苦茶かわいい」

トータルで見ると「否」の割合の方がやや多く、「賛」の中にも「旧モデルと使い分ければ」「慣れれば違和感なくなるかも」という注釈付きのようなコメントが多くありました。

この反応はぽんぽこと兄ぽこにとっては想定外のものだったようです。

「正統派の可愛い女の子」を目指したにもかかわらず、「独特な鳴き声を上げて視聴者やピーナッツくんに絡みまくるイロモノ」が錬金されてしまったのです。

エドワード・エルリックが見たら勘の良さを発揮してブチ切れそうです。

筆者の個人的な分析としては、大きな瞳やアヒル口、舌っ足らずな喋り方など、世間で「可愛い」とされる要素を詰め込んだ結果、一種の「不気味の谷」のような領域にハマりこんでしまったのだと考えています。

f:id:aidnoyatsudayo11:20211223014411j:plain ▲明確な説明は出来ないが、なぜか見ていると不安になる2Dガチ恋ぽんぽこ。

以降この新モデルは「余所行き」として扱われ、案件動画など「媚び」が必要な時に召喚されるようになりました。

ぽんぽこ24vol.2にも登場していましたが、使い所の難しさゆえに彼女の登場頻度は全体的に控えめになり、ガチ恋ぽんぽこは長い雌伏の時を迎えることになります。

初登場からおよそ1年後の2019年7月18日、「今夜、君も、ガチ恋。」と題した生放送の中で、ついにガチ恋ぽんぽこは3Dモデル化を果たします。

▲登場は7:45~。

製作者は「さえきやひろ」さんで、2Dモデルの特徴を活かしつつも可愛さを増やした良モデルです。

f:id:aidnoyatsudayo11:20211223014749j:plain ▲初期モデルから一貫して可愛いガチ恋ぽんぽこの笑顔。

この2日後に投稿された「萌え声MAXEND 激辛春雨ENDで汚い声を出したら即終了!」という動画は視聴者から好評を博し、再生数もよく伸びました。

▲安定して6桁再生を叩き出す人気シリーズとなった。

それ以前にも「汚い声を出したら即終了」系の動画は投稿されていましたが、ガチ恋ぽんぽこのビジュアルがより可愛くなったことで視聴者に受け入れられやすくなったのでしょう。

これ以降「萌え声Vtuberが○○しました」という企画がシリーズ化し、ガチ恋ぽんぽこは浮上のきっかけを掴みます。

筆者がガチ恋シリーズ」と(勝手に)呼んでいるこの企画の中で、特に好きな動画をご紹介しましょう。

▲注意!虫が出てきます!苦手な人はくれぐれも気をつけて!

この動画は、なぜか昆虫食にハマってしまったガチ恋ぽんぽこが「萌え声Vtuber」にあるまじき言動をし、ゲストのピーナッツくんがそれにドン引きしながら突っ込む、という構成になっています。

2人の掛け合いやテンションの差の面白さ、そしてガチ恋ぽんぽこのビジュアルと昆虫食のギャップがクセになる動画です。

この面白さに魅了された視聴者は私の他にも沢山いたようです。

毎日投稿される動画の中でガチ恋ぽんぽこが出ているものだけ再生数が他より多いという現象が発生し、「ぽんぽこちゃんねるのキラーコンテンツと呼ばれるまでになりました。

チャクラ不足のために登場頻度は1ヶ月に1回程度でしたが、投稿からしばらく経つと「そろそろガチ恋ぽんぽこが見たいなぁ」と"ガチ恋不足"を訴えるファンも表れるなど、すっかり人気が定着しました。

"可愛い女の子"という当初の構想とかけ離れた路線ではありますが、ガチ恋ぽんぽこはみんなの人気者になることが出来たのです。

まるで「正統派アイドルを目指して上京した女の子がバラドルとしてブレイクした」ような構図です。

バラエティタレント - Wikipedia

"バラドル"としてぽんぽこちゃんねる内で猛威を奮っていたガチ恋ぽんぽこでしたが、2020年10月2日に開かれた日本最大級のアイドル音楽イベントTOKYO IDOL FESTIVAL 2020 オンライン」に出演するという驚きの事態が発生しました。

このキャスティングは今に至るまでぽこピー界の大きな謎であり、ファンの間でも賛否両論でしたが、何はともあれガチ恋ぽんぽこは"バーチャルアイドル"としてステージに立つことができました。

なんとあの指原莉乃さんとも共演することが出来たのです。

2年前に「もどして」等と言われていた子と同一人物とはとても思えません。

私はガチ恋ぽんぽこがデビューした時から応援していたので感無量の気持ちでした。(後方腕組み古参面)

なお、ステージでのパフォーマンス内容についてはぽんぽこ自身が「2020年最大の黒歴史と語っているので……お察しください。

その後は2021年8月29日に開催された「TUBEOUT!FES ~2021 SUMMER~」に出演して歌を披露しました。

さらに9月16日には、TOKYO IDOL FESTIVAL 2021」内で開かれる「バーチャルTIF」カウントダウン特番のMCを務めるなど、様々なキャリアを積んでいきました。 (TIFのガチ恋さん推しはなんなんだ…?)

▲MCなのに他のアイドルを差し置いてなぜか1番大きくサムネに映るガチ恋さん。

さらに、ぽんぽこ本人によって

ガチ恋ぽんぽこは別の人格」

「秘めたるガチ恋さんが出てくる」

ガチ恋さんに脳を支配される時がある」

というサイコな設定が後付けされ始め、口調も舌っ足らずを通り越して判読が難しいほどにデフォルメされるなど、ガチ恋ぽんぽこのキャラクターはさらに濃くなっていきました。

2021年5月13日に投稿された動画で、ガチ恋さんの3Dモデルはさらにブラッシュアップされました。

▲最新版のガチ恋さん。これもうアイドルだろ…。

本人は「整形」と言っていますが、着ているパーカーの色が変わったり、女子力の高いネイルが追加されたりと、もはや"正統派萌え系Vtuber"と言っても過言ではない見た目になったのです。 (※見た目だけ)

コメント欄でも「毎週ガチ恋さんが見たい」「可愛すぎて見惚れちゃった」と絶賛の嵐。

初登場時が嘘のようです。

まあ中身は何も変わっていないので言動はこれまで通りですが、見た目が可愛くなったことでさらにギャップが強調されるようになりました。

ギャップはあればあるほど面白いと日本国憲法にも書かれています。

今後もガチ恋さんの快進撃は続くでしょう。

風刺としてのガチ恋ぽんぽこ

ガチ恋ぽんぽこの特徴的な見た目や言動を、「萌え系Vtuberが持て囃される現在のVtuber業界への風刺」と捉える考え方が一部に存在します。

「可愛い声」「可愛い見た目」にばかり目が向けられがちで、所謂「媚びた」キャラの人気ばかり出る現象への一種のアンチテーゼになっているというのです。

ガチ恋ぽんぽこはガチ恋して~❤」とよく言います。

Vtuberやアイドル業界ではガチ恋」=「厄介なファン」と認識される向きが大半であり、多くの配信者が対応に悩む中で、むしろガチ恋を積極的に推奨する」ガチ恋ぽんぽこは少し異質な存在です。

また、ガチ恋を要求する割には、虫を食べたり激辛に挑戦したりと、こちらを"ガチ恋させる"気はあまりないようにも思えます。

媚びているのか媚びていないのかよく分からないのです。

ガチ恋さんは恋愛にもあけすけだったりします。

一般的に女性アイドルやVtuberは男の影が少しでもあると炎上してしまう傾向にありますが、ガチ恋さんはなんとバツ1です。

▲今やアイキャッチでお馴染みとなった「どんぱっぽ!(意味不明)」の元ネタです。

マッチングアプリを使ったと公言したこともありますが、(なぜか)全く炎上していません。

この辺りの恐れ知らずの行動も、彼女を異質な存在としている要因でしょう。

以上のことから、ガチ恋ぽんぽこは「大きな瞳や萌え声」という"王道"の一面を持ちながら、「奇抜な言動や尖った企画」という"異端"の面も併せ持つ、とても特異なキャラクターだということがわかります。

しかし、ガチ恋ぽんぽこの見た目は「正統派」を目指してデザインされており、前述したような量産型へのアンチテーゼとしての意図はありません。

また、特徴的な言動は変化前のぽんぽこの「萌え」に対するズレた見方が反映されたものです。

「こうすれば萌え系になるだろう」というぽんぽこの意図が空回りしたものであり、本人には風刺や揶揄する意図は全くないと思われます。

ですから、このような解釈は完全なる非公式であり、視聴者側の勝手な言い分であるということをここに銘記させていただきます。

Vtuber界には「彼女より友達にしたい枠」とも言えるものが存在しています。

ちなみにこれは筆者が適当に言語化したものであり、「おもしれー女枠」など表現方法は様々です。

おもしれー女とは (オモシレーオンナとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

これは、見た目よりキャラの個性や面白さ、企画力などのバラエティ性が特徴となっている女性Vtuberのことで、月ノ美兎さん鈴鹿詩子さんなどが代表的な存在として挙げられるでしょう。

もちろん、彼女達が可愛くない、などと言うつもりは毛頭ありません。

十分な外見的魅力を持っていながらも、その印象を薄れさせてしまうほどの強烈な個性が彼女達の売りなのです。

先程例として挙げた「バラドル」の概念と近いかもしれません。

しかし、このような女性Vが活動を続ける中で次第に可愛い部分が目立つようになっていき、「昔は友達としか思っていなかった幼馴染が…いや違うな…フフ…俺は最初からアイツのことが…」という状態になることがあります。

これはガチ恋さんにも当てはまります。

最初は可愛くないと言われていた女の子がどんどん垢抜けて可愛くなっていき、世間からの評価も変わる…という構図を、今のガチ恋さんは体現しています。

ですから、風刺などと言ってひねくれた見方をするのではなく、「少し変わった女の子が成長していくシンデレラストーリー」として素直に楽しむことこそ、"ガチ恋ぽんぽこ"というコンテンツへの正しい向き合い方なのではないか?と私は思います。

ガチ恋

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なんだか西尾維新の新作のような副見出しになってしまいましたが、「がちこいがたり」ではなく「がちこいご」です。

2つ前の項目でも書いたように、ガチ恋ぽんぽこは舌っ足らずな口調で喋ります。

これは極端に誇張されたぶりっ子口調であり、最近では誇張されすぎて赤ちゃんみたいになっています。

まだ口で喋っている分にはマシですが、Twitterで口語を書き出されると解読する難易度が一気に上がります。

例としてこちらのツイートを見てみましょう。

読めたでしょうか。

以下が正確な翻訳です。

あ~う~ひひ~ん

なんとなんなんと

12月21日~25日の5日間

ガチ恋weekはっじまっるよ??

アドベントガチ恋ねっ

ぽんぽこちゃんねるはあたしのもんよぉおおお

今日はチャクラ温存するから更新なし!ごめんね?

"ガチ恋week"というとんでもないパワーワードはこの際一旦無視します。

言葉の変換パターンとしては、かの手塚治虫氏の名作漫画「ブラックジャック」に出てくるピノコの口調に近いです。(風評被害)

しかし、「あたし→あちゃちゃ」などイレギュラーな変換があったり、ガチ恋さん独特の「ノリ」で文章が構成されていたりと、全てのパターンを解読するのはほぼ不可能です。

「にゃん」「がお~」など、動物の鳴き声がランダムで出てくることもあります。

そして、この記事冒頭でも出た「あ~う~ひひ~ん」

これは初期からガチ恋ぽんぽこが挨拶代わりに発する鳴き声(?)です。

まるで馬のようだとピーナッツくんから散々ツッコミが入っていますが、馬ではないようです。

しかしウマ娘ブームにはちゃっかり乗っかっていました。

▲先見の明があった…のか?

この鳴き声は、恐らく萌え声Vtuberを目指すにあたってどこかの配信者を参考にしたのでしょうが、原型からかけ離れすぎていて元ネタが分かりません。

分かったところで多分全く似ていないと思います。

圧が強すぎて畏怖すら覚えるガチ恋語ですが、触れているうちに段々とクセになってきます。

何よりもこれを毎回生み出しているぽんぽこが凄いです。

ガチ恋メディアミックス

ガチ恋さんはいつもの動画とは別に、他の媒体でも活躍しています。

まずはガチ恋さんのゲーム。

ガチ恋デイズ」という恋愛ゲームが存在しており、なんとこれはぽんぽこ本人が制作しています。

こちらの動画の概要欄からファイルをダウンロード出来ます。

▲なんとマルチエンディング採用!

また、ガチ恋さんはコミカライズもされています。

講談社でも活躍されている「北宮あみ」さんによって描かれた「恋ちてる?」という漫画が、2021年10月31日に開催されたKAI-YOU HYPER POP MARKETで限定頒布されました。

これは同人誌扱いではなく公式漫画であり、なんとガチ恋ぽんぽこ直筆の寄稿ページもあったそうです。

企画はまだ進行中ということで、次の展開からも目が離せません。

さらに初めてとなる公式グッズも制作されており、これは2021年12月24日から渋谷にて開催されるイベント「バーチャルスクランブル2」で発売されました。

こちらはイラストレーター・動画クリエイターの「可哀想に!」さんが協力しておられるようです。

追記:ガチ恋さんのオリジナル曲もあります。

「DON PA PPO」という曲で、2021年12月25日にMVが公開されました。

作詞・作曲は「かわみ」さん、MV制作は前述の「可哀想に!」さん、タイポグラフィ「earthonlywin」さん、そしてMIXは「星屑サラウンド」などを手がけた「龍崎一」さんです。

▲豪華コラボ!

ガチ恋ぽんぽこというコンテンツの集大成感がある、非常に素晴らしいMVですね。

まとめ

今回はガチ恋ぽんぽこの歴史と特色について書きました。

ガチ恋ぽんぽこは「甲賀流忍者ぽんぽこ」から派生したキャラクターでありながら、そのビジュアルや言動で異彩を放ち、「ガチ恋シリーズ」等の人気企画を抱えるぽんぽこちゃんねる屈指の売れっ子となっています。

チャクラ不足という縛りがあるために登場回数が制限されており、「レアキャラ」扱いになっているのも人気に拍車をかけているのかもしれません。

個性が強いので週に何度も出てくると胃もたれしますが、月に1度くらいの頻度だと逆にもっと見たくなってしまうのですから不思議なものです。

私も動画更新通知が来た時にガチ恋さんの動画だとテンションが上がります。

f:id:aidnoyatsudayo11:20211223022431j:plain ▲これだけ大きく出ても不快にならないガチ恋さん。だって実際可愛いもんね。

紆余曲折ありながらも、ファンのみんなに愛され、年を経るごとに飛躍していくガチ恋ぽんぽこ。

次はどんな「あ~う~❤」を見せてくれるのでしょうか。

コモラ学入門 -紫の遊戯竜-

こんにちコモコモ~(気さくな挨拶)

どうも筆者です。

いきなりですが、

皆さんはさる11月17日にVtuber界を揺るがすとんでもない事件があったことをご存知でしょうか!!?!?!??!!!

もう私はショックでショックで……。

直後はおやつも喉を通らず、体重が0.4キロも減ってしまいました。

その事件とは、

「コモラさん毎日投稿終了」

です。

……ん?

騒いだのは一部だけ?

そもそもコモラさんを知らない?

ではそんな人のために、コモラさんとはどういうVtuberなのか、そしてその魅力とはどんなものか、入門編としてご紹介したいと思います。

コモラさんとは?

そもそも、コモラさんはどのようなVtuberなのでしょうか。

こちらがそのキービジュアルです。

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という外見的特徴を持っています。

かなりキュートなデザインですよね!

「引きこもってゲームをしていたために絶滅を逃れた恐竜」という設定で、いつもコントローラーを手放しません。

チャンチョの友達でもあります。

兄ぽこがデザインしたキャラクターの中でもかなり個性的なデザインです(私が勝手に思っています)。

そしてこちらがコモラさんのデビュー動画です。

▲伝説の始まり。マジで唐突なデビューでした

この動画にはコモラさんのほぼ全ての要素が詰まっており、今見ても完成度が高いと思います。

  • 優れたゲームスキル
  • 飄々とした関西訛りの喋り方
  • 可愛い外見とはギャップのある低い声
  • イキリ
  • (別撮りのせいで)噛み合わないチャンチョとの会話

暗いような明るいような不思議なテンションの語り口と、難しいゲームにも果敢に挑戦するスタイルは不思議な中毒性があり、コアなファンからの支持を獲得する要因となっています。

コモラ史

コモラさんの歴史は、2018年8月29日に「オシャレになりたい!ピーナッツくん」のゲームチャンネルである「チャンチョのゲーム部屋」にコモラさんの動画が投稿された時までさかのぼります。

活動期間は実に3年以上

デビュー時期で言うと旧にじさんじSEEDsの2期生とほぼ同期ということになります。

コモラさんは事前告知など全く無しにいきなり登場したため、当時のファンはかなり面食らいました

デビュー以降、コモラさんはチャンチョのゲーム部屋に度々登場するようになりました。

明らかに先撮りのコモラさんがペラペラと喋り、後撮りのチャンチョがそれにツッコミつつゲームの上手さに驚くというスタイルは人気を博し、投稿の頻度も増えていきました。

活動から1年半以上が経過した2020年4月4日、コモラさんは独自に毎日投稿を始めると告知しました。

これ以降はコモラさん1人が喋りつつゲームをするというソロ実況スタイルの動画が増えました。

チャンネル名も「チャンチョのゲーム部屋」から「コモラとチャンチョのゲーム部屋」に変更されました。

それから2021年11月17日までの期間、コモラさんは休まず実況動画の投稿を続けました。

日数にしてなんと591日

▲毎日投稿終了の告知動画

諸事情により記録は途切れてしまいましたが、現在もコモラさんの「ほぼ」毎日投稿は続いています。

コモラさんの魅力

コモラさんの魅力的な点は沢山あるのですが、今回は筆者の独断と偏見で魅力をいくつかご紹介したいと思います。

  • ゲーム愛

コモラさんは様々な種類のゲームをプレイします。

ソシャゲやフリーゲーム、マイナーなゲームからメジャーなゲームまで動画で扱われるものは多岐にわたりますが、ちゃんと楽しんでプレイしています。

▲大人気ゲームFallGuysから…

▲意味不明な謎ゲーまで

とんでもない高難易度のゲームや、これクソゲーじゃね…? と思ってしまうようなゲームでも、投げることなくちゃんと遊ぶ姿勢は、まさにゲーム好きの鑑と言えるでしょう。

  • ゲームに対するストイックな姿勢

コモラさんがプレイするのは、何度も失敗することが前提の死にゲー・覚えゲーや、前述したような非常に高難易度のゲームが多いです。

しかしコモラさんは諦めることなく、クリアできるまで何度もトライします。

普通の精神力ならリタイアしてしまうような場面でもチャレンジをやめません。

「もう○時間くらいやってるんやけどね~」とサラッと言うこともよくあります。

ローグライクゲームが好きと公言していますので、そのような趣向が彼の忍耐力を鍛えたのかもしれません。

▲どんな苦行、もとい苦境でもめげないコモラさんが見られます

クリアした時のカタルシスは半端ではありません。

また、コモラさんは「流行りのFPSだけやってりゃいいだろう」というバズ狙いの姿勢ではありません。

とにかく興味があるゲームをプレイするのです。

ひたすら自分のスタイルを貫くその姿には、職人やスポーツ選手と共通するようなストイックさを感じます。

  • イキリ

コモラさんからは度々イキリ発言が出ますが、それを聴いた人の中には「ナルシストなのか?」と思う人がいるかもしれません。

しかし、私はそれは誤解だと思います。

コモラさんは前述したように非常にストイックであり、色々な難しいゲームをクリアした経験があります。

その経験に裏打ちされた「イキリ」なのです。

実績のない人の過信から来る「自惚れ」とは違います。

また、コモラさんはミスをすると「すみません、調子乗りました」とすぐに謝ります。

このような点を踏まえると、コモラさんのイキリ発言も微笑ましく見えてくるのではないでしょうか。

コモラさんは陰キャを自称しています。

しかもいわゆる「ファッション陰キャ」ではなく、彼の話を聞くに正真正銘の陰キャです。

陰キャ特有のちょっとヤバめの発言も散見されます。

陰キャといえば、世間ではのけ者扱いされることが大半で、蔑称とも認識されています。

しかし、コモラさんはそのような陰キャエピソードをネタにしてくれます。

▲コモラさんは"俺等"だ…!

陽キャにビビった話や、親戚のBBQで喋らずに黙々と肉を食べた話など、どこか共感できるネタも多いです。

「僕、すき家の三色チーズ牛丼好きやからね。だからチー牛ですよ」

「そのうち陰キャの代名詞がチー牛からコモラになるんじゃないかな」

このように語ることすらあります。

今の元気がない世の中で、嫌なことがあってもネタにできるくらいの余裕を持つ事が大切だということを、コモラさんから学べるような気がします。

  • Vtuber活動を楽しんでいる

コモラさんはお気に入りのゲームを紹介してくれることもあります。

「今ハマってるんですよ~」と言いながら楽しそうにゲームの良いところを解説するコモラさんの姿からは、「面白いコンテンツを知ってもらいたい」「自分の"好き"を共有したい」というYoutuberの本質が見えてきます。

▲ウキウキのコモラさん

また、コモラさんは毎日投稿の中でも視聴者を楽しませるために色々と変化をつけています。

動画内でコメント欄の質問返しコーナーを開催したり、雑談動画を出したり、ゲームのリクエストに答えたり、動画のエンドカードとしてイラストを描いたりと、精力的に動いています。

▲コメント欄もよく見ているコモラさん

また、「コウモリラン」というバ美肉Vtuberを新たなキャラとして生み出すなど、変化のあるコンテンツを演出してくれます。

▲か、かわいいなぁ

チャンネルにはたくさんの動画がありますが、これらはシリーズごとに細かくリスト管理されており、視聴者が見やすいようにというコモラさんの配慮が伺えます。

本人は活動について「趣味」と言っていますが、好きだからこそ毎日投稿を続けることが出来ているんだと思います。

  • うるさくない

コモラさんは落ち着いた喋り方ホラーゲームでも叫んだりしない淡々としたプレイスタイルに徹しているので、視聴者が絶叫に驚かされたりすることはありません。

例を挙げるなら「驚かないホラー実況者」として有名なガッチマンさんに近いスタイルです。

これについてはコモラさん本人も影響を受けたと言っています。

つまり、BGMに最適なのです。

筆者も、なにか書き物をしなければいけない時はコモラさんの実況や雑談をラジオ感覚で聴いています。

これは決して動画の内容を真面目に見ていないとかそういうわけではありません。

違いますよ?

  • コモラさんのゲームがある

コモラさんには「うさうさらびっと」さんという友人がおり、彼はコモラさんを題材としたゲームを制作しています。

「コモラ リアルワールドエスケープ」「jump komora」という2つのゲームですが、どちらも無料でプレイできます。

特に「コモラ リアルワールドエスケープ」は「オシャレになりたい!ピーナッツくん」アニメのファンアイテムとしても優秀な作品です。

とても完成度の高いゲームですので、是非多くの人に遊ばれるべきだと思います。

▲コモラさん本人による実況プレイ

進化し続けるコモラさん

ここまでコモラさんの魅力を思いつくままに挙げてきましたが、コモラさんの好きなVtuberや親友であるチャンチョとの絡みなど、他にも様々な面白いエピソードがたくさんあります。

細かく言えばきりがありません。

現在のチャンネル登録者数は約1.6万人、平均視聴回数もそれほど多くはありませんが、広く知られていないだけで1度見ればきっとハマる人も多いと思います。

コモラさんは活動へのモチベーションが非常に高く、実写動画やコラボなど色々な事に挑戦しています。

▲ぽんぽこ、チャンチョとのコラボ配信

▲親友のチャンチョもビビる行動力

今後もさらに進化していくであろうコモラさんから、目が離せません。

(今回の記事を書くにあたり、ぽこピー非公式wikiさんをかなり参考にさせていただきました。また、個人的に相談に乗ってくださった方、ありがとうございました。)

ぽんぽこちゃんねる、累計1億再生の偉業

お久しぶりです。

嬉しい事があったのでこの記事を書いています。 (親戚への手紙か?)

本日2021年12月7日、私の推しVtuberである甲賀流忍者ぽんぽこ」さんの「ぽんぽこちゃんねる」の累計再生数が1億回を突破しました!!

f:id:aidnoyatsudayo11:20211207234723j:plain ▲次の元号は"一億"です

素晴らしい!!

前々から再生数が気になって度々チェックしていましたが、ついに大台を突破しました。

累計1000万再生を祝ったことが昨日のように思い出されます。

f:id:aidnoyatsudayo11:20211207195543j:plain ▲記念のスクリーンショット。筆者は頭が悪いので毎回1の位から数えています

1億再生といえば、単純にミリオン動画(100万再生超え)を100本出さなければ到達できない数字です。

10万再生なら、なんと1000本です。

100万再生されれば「バズった」と言われるこのYoutube業界で、これだけ多くの再生数を積み重ねたというのは、まさに努力と忍耐のなせる技と言えます。

Vtuber業界における再生数事情

少し違う観点から考えてみましょう。

今や2万人近く存在すると言われる現在のVtuber業界。

Vtuber」と名乗りはしないものの、顔を出さない"Vtuber的"な活動をしている「潜在的Vtuber」の人を含めれば、その総数はもはや推定不能です。

現在のVtuber業界で登録者を伸ばしているのは、「ホロライブ」や「にじさんじ」などのライブ配信を中心に活動するバーチャルライバーがほとんどで、10分~20分程度の動画を短いスパンで投稿する、いわゆる「動画勢」と言われるスタイルのVtuberは希少な存在となっています。

「生身」で活動する通常のYoutuberは「Pewdiepie」さんや「HIKAKIN」さんのように動画勢が多いため、リアルとバーチャルで対照的な傾向となっています。

「動画勢」と「ライバー」を比較した時、大きな違いとして現れるのが「累計再生数の違い」です。

Vtuberとして登録者が最も多いのはホロライブEN所属の「Gawr Guraさんで約364万人、彼女の累計再生数はおよそ2億1000万回です。

Vtuber登録者数2位のキズナアイさんは約300万人、累計再生数はおよそ4億500万回となっています。

これに対し、リアルYoutuberで彼女たちに近い登録者数帯の累計再生数を見てみると、

  • Eve(歌手)…357万人、約14億回

  • ポッキー(実況者)…313万人、約32億回

  • コムドット(動画勢)…287万人、約15億回

このようになっています。(ここまでの数字はいずれも2021年12月7日現在)

登録者数が近くても、累計再生数にはかなりの違いがあります。

なぜこのような傾向が出るのでしょうか。

これには、前述の「ライバー」と「動画勢」の違いが影響しています。

ライバーは生配信で多くの視聴者を集め、人気配信者の放送には数万人単位のファンが訪れます。

しかし、配信終了後のアーカイブは長時間のものも多いため、何度も再生されることはあまりありません。

シリーズものとして同じゲームを連続でプレイすることもありますが、どうしても内容は似たようなものになりがちです。

つまり、視聴者が動画をリピートする率は低いと言えます。

動画勢は比較的短い動画を短いスパンで投稿するため、視聴者はいつでも好きな時に動画を再生することができます。

毎日投稿を売りにしている投稿者も多く、とにかく沢山の企画動画を出すことで視聴者のニーズに応えています。

短い動画なのでお気に入りのシーンを見返すことも容易で、視聴者のリピート率は上がります。

結果として、ライバーよりも動画勢の方が1動画あたりの再生数が高くなり、累計再生数にも差が出るというわけです。

もちろん、どちらが優れている・努力しているなどということは言いません。

再生数に応じた広告費で主な収入を得る動画勢と、配信内でのスーパーチャットで主な収入を得るライバーでは、努力する部分や採算のとり方も全く違うので、単純に比較するのではなく得意分野の差異として捉えるべきでしょう。

ぽんぽこさんの1億再生はどれくらい凄いのか

Vtuber業界におけるぽんぽこさんの現在位置はどのようなものなのか、ユーザーローカルさんが運営する「Vtuberランキング」というサイトで確認してみました。

ぽんぽこさんの現在の登録者数は24万人で、199位となっています。

登録者50万人を超えるようなVtuberも増えてきた中で、ちょうど中堅くらいの位置と言えるかもしれません。

しかし、再生数でランキングを見てみると、なんと54位まで上昇するのです。

このランキングには公式アカウントや転生組(途中からVtuberを名乗るようになった人)も含まれているので、純粋なランキングではさらに順位が上がります。

ぽんぽこさんは動画をメインに活動する「リアルYoutuber」寄りのスタイルを確立しているので、チャンネル登録者に比べて再生数が多いということがわかります。

企業や事務所などの支援を受けずに個人でチャンネルを運営する、いわゆる「個人勢」の括りで見てみると、渋谷ハルさん・犬山たまきさん・懲役太郎さんに次いで4人目の1億再生達成者となります。

"鉄人"ぽんぽこ

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ぽんぽこさんは個人勢でありながら相棒のピーナッツくんをゲストとして一時は毎日投稿をずっと続けていました。

現在も2日に1本以上のペースで動画を投稿しています。

元々ぽんぽこさんのチャンネルは生配信を強みとしており、一大企画である「ぽんぽこ24」もその延長として誕生したものでした。

しかし2019年1月、ぽこピーは動画勢への転身を決めます。

これには当初様々な反響がありました。

歓迎する声もあれば、Vtuberは生配信が人気なのに大丈夫なのかな」という不安の声もありました。

2人も当然不安は多かったと思います。

それでも、事務所の後ろ盾もなく、さらにコロナ禍でコラボやロケなども難しいという逆風が吹いても、ぽんぽこさんとピーナッツくんは動画勢としての活動を止めることはありませんでした。

むしろ最近は人気をさらに加速させています。

Youtube分析サイトのSocialbladeによると、現在は1日に400~500人のペースで登録者が増加しており、月間再生数も過去最高レベルの水準を記録しています。

https://socialblade.com/youtube/channel/UC1EB8moGYdkoZQfWHjh7Ivw

f:id:aidnoyatsudayo11:20211207205030j:plain ▲最近好調なぽんぽこちゃんねる

ぽこピーの動画勢としてのこれまでの地道な積み重ねがようやく開花し始めたと言えるでしょう。

1億再生という数字は単なるデータや記録ではなく、2人の努力とファンの思い出が詰まったものです。

以前、ピーナッツくんは相方のぽんぽこさんのことを「鉄人」と表現したことがありました。

企画準備や動画編集をするぽんぽこさんの、常人ならざるエネルギーが伝わってくる言葉です。

「鉄人」であるぽんぽこさんなら、1億再生にとどまらず、2億、3億、そしてさらにその先の世界を見せてくれるでしょう。

これからどんなぽこピーを見れるのか、私もワクワクが止まりません。

▲追記:記念動画が投稿されました