頭の中の小さな引き出し

思ったことを書きます。たぶんほとんど更新しません。

ガチ恋ぽんぽこ3年史 ~"ガチ恋さん''はいかにして人気者となったか~

あ~う~❤ひひ~ん❤

どうも、最近はなぜか筆がノッている筆者でs…あぁ!ブラウザバックしないで!

え?

冒頭に変な馬がいた?

な、なんて失礼な……。

これは「ぽんぽこちゃんねる」の人気者、ガチ恋ぽんぽこ」さんの挨拶です。

どう見ても馬?

やっぱりそうですよね…。(冷静)

気を取り直して。

今回の記事では「ガチ恋ぽんぽこ」についての話題を、これまで辿ってきた歴史を中心に取り上げたいと思います。

ガチ恋さんに脳を乗っ取られないように、適度に休息を置いて読んでください。

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ガチ恋ぽんぽことは?

まず、ガチ恋ぽんぽこ」とは何者なのでしょうか。

彼女が初登場したのは2018年8月30日、ぽんぽこちゃんねるで行われた「NEW PONPOKO 発表会!!!」という生放送でした。

▲登場は5:45~。

ガチ恋ぽんぽこの特徴として、

  • 大きくつぶらな瞳
  • たれ目気味のたぬき顔
  • 美脚を強調したファッション
  • 媚びるような萌え(?)声
  • 舌足らずなあざとい喋り方

という要素があります。

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▲最新バージョンのガチ恋ぽんぽこさん。美脚が素晴らしい。

甲賀流忍者ぽんぽこ」が忍術によって変化した姿であり、消費するチャクラ(エネルギー)が多いために長時間の行動は出来ない、という謎にロマンを感じる設定もあったりします。 (実際はぽんぽこが恥ずかしがって精神力が持たないからです。)

動画で登場する際にはフリー音源の楽曲「星屑サラウンド」が流れるのがお約束で、実質的な彼女のテーマソングとなっています。

ちなみに「ガチ恋ぽんぽこ」という名称は当初から決まっていた訳ではなく、視聴者に対して「ガチ恋して~!」と頻繁に要求することから付いた通称でした。

後に本人が動画の中でガチ恋ぽんぽこだ~お❤」と名乗り始めたことで公式となりました。

最近はガチ恋さん」という敬称付きの呼び方も定着しています。

また、なぜかピーナッツくんの事を「大魔獣ちゃん」と呼びます。(理由は完全に不明。)

ガチ恋ぽんぽこの歴史

今でこそ人気者となっているガチ恋ぽんぽこですが、彼女のキャリアは決して順風満帆とは言えないものでした。

甲賀流忍者ぽんぽこ」としての活動初期に使われていた2Dモデルは、視聴者から「色合いが地味」「あんまり可愛くない」「伸びた時が怖い」という不評をたびたび受けていました。

f:id:aidnoyatsudayo11:20211223014136j:plain ▲「伸びた」状態のぽんぽこ。この動きのせいで「化け狸」と呼ばれたりしていました。

当時の2018年はまさにVtuber群雄割拠の時代」であり、個人企業問わずビジュアルの優れた新人が続々とデビューしていました。

そんな中で地味なぽんぽこの初期モデルを使い続ければ、「いずれは流行に置いていかれるのでは無いか?」と危惧されていました。

そこで、ぽんぽことその実兄である兄ぽこは新たな姿を実装することに決めます。

それが「ガチ恋ぽんぽこ(当時は特定の名前なし)」だったのです。

「NEW PONPOKO」と銘打たれて登場した新モデルでしたが、視聴者からの評価は賛否両論でした。

当時のコメント欄からいくつか引用しましょう。

「もどして」

「母親が萌声出し始めた」

「旧モデルの良さを逆に伝える高等テクニック」

「可愛かったよ」

「笑顔が滅茶苦茶かわいい」

トータルで見ると「否」の割合の方がやや多く、「賛」の中にも「旧モデルと使い分ければ」「慣れれば違和感なくなるかも」という注釈付きのようなコメントが多くありました。

この反応はぽんぽこと兄ぽこにとっては想定外のものだったようです。

「正統派の可愛い女の子」を目指したにもかかわらず、「独特な鳴き声を上げて視聴者やピーナッツくんに絡みまくるイロモノ」が錬金されてしまったのです。

エドワード・エルリックが見たら勘の良さを発揮してブチ切れそうです。

筆者の個人的な分析としては、大きな瞳やアヒル口、舌っ足らずな喋り方など、世間で「可愛い」とされる要素を詰め込んだ結果、一種の「不気味の谷」のような領域にハマりこんでしまったのだと考えています。

f:id:aidnoyatsudayo11:20211223014411j:plain ▲明確な説明は出来ないが、なぜか見ていると不安になる2Dガチ恋ぽんぽこ。

以降この新モデルは「余所行き」として扱われ、案件動画など「媚び」が必要な時に召喚されるようになりました。

ぽんぽこ24vol.2にも登場していましたが、使い所の難しさゆえに彼女の登場頻度は全体的に控えめになり、ガチ恋ぽんぽこは長い雌伏の時を迎えることになります。

初登場からおよそ1年後の2019年7月18日、「今夜、君も、ガチ恋。」と題した生放送の中で、ついにガチ恋ぽんぽこは3Dモデル化を果たします。

▲登場は7:45~。

製作者は「さえきやひろ」さんで、2Dモデルの特徴を活かしつつも可愛さを増やした良モデルです。

f:id:aidnoyatsudayo11:20211223014749j:plain ▲初期モデルから一貫して可愛いガチ恋ぽんぽこの笑顔。

この2日後に投稿された「萌え声MAXEND 激辛春雨ENDで汚い声を出したら即終了!」という動画は視聴者から好評を博し、再生数もよく伸びました。

▲安定して6桁再生を叩き出す人気シリーズとなった。

それ以前にも「汚い声を出したら即終了」系の動画は投稿されていましたが、ガチ恋ぽんぽこのビジュアルがより可愛くなったことで視聴者に受け入れられやすくなったのでしょう。

これ以降「萌え声Vtuberが○○しました」という企画がシリーズ化し、ガチ恋ぽんぽこは浮上のきっかけを掴みます。

筆者がガチ恋シリーズ」と(勝手に)呼んでいるこの企画の中で、特に好きな動画をご紹介しましょう。

▲注意!虫が出てきます!苦手な人はくれぐれも気をつけて!

この動画は、なぜか昆虫食にハマってしまったガチ恋ぽんぽこが「萌え声Vtuber」にあるまじき言動をし、ゲストのピーナッツくんがそれにドン引きしながら突っ込む、という構成になっています。

2人の掛け合いやテンションの差の面白さ、そしてガチ恋ぽんぽこのビジュアルと昆虫食のギャップがクセになる動画です。

この面白さに魅了された視聴者は私の他にも沢山いたようです。

毎日投稿される動画の中でガチ恋ぽんぽこが出ているものだけ再生数が他より多いという現象が発生し、「ぽんぽこちゃんねるのキラーコンテンツと呼ばれるまでになりました。

チャクラ不足のために登場頻度は1ヶ月に1回程度でしたが、投稿からしばらく経つと「そろそろガチ恋ぽんぽこが見たいなぁ」と"ガチ恋不足"を訴えるファンも表れるなど、すっかり人気が定着しました。

"可愛い女の子"という当初の構想とかけ離れた路線ではありますが、ガチ恋ぽんぽこはみんなの人気者になることが出来たのです。

まるで「正統派アイドルを目指して上京した女の子がバラドルとしてブレイクした」ような構図です。

バラエティタレント - Wikipedia

"バラドル"としてぽんぽこちゃんねる内で猛威を奮っていたガチ恋ぽんぽこでしたが、2020年10月2日に開かれた日本最大級のアイドル音楽イベントTOKYO IDOL FESTIVAL 2020 オンライン」に出演するという驚きの事態が発生しました。

このキャスティングは今に至るまでぽこピー界の大きな謎であり、ファンの間でも賛否両論でしたが、何はともあれガチ恋ぽんぽこは"バーチャルアイドル"としてステージに立つことができました。

なんとあの指原莉乃さんとも共演することが出来たのです。

2年前に「もどして」等と言われていた子と同一人物とはとても思えません。

私はガチ恋ぽんぽこがデビューした時から応援していたので感無量の気持ちでした。(後方腕組み古参面)

なお、ステージでのパフォーマンス内容についてはぽんぽこ自身が「2020年最大の黒歴史と語っているので……お察しください。

その後は2021年8月29日に開催された「TUBEOUT!FES ~2021 SUMMER~」に出演して歌を披露しました。

さらに9月16日には、TOKYO IDOL FESTIVAL 2021」内で開かれる「バーチャルTIF」カウントダウン特番のMCを務めるなど、様々なキャリアを積んでいきました。 (TIFのガチ恋さん推しはなんなんだ…?)

▲MCなのに他のアイドルを差し置いてなぜか1番大きくサムネに映るガチ恋さん。

さらに、ぽんぽこ本人によって

ガチ恋ぽんぽこは別の人格」

「秘めたるガチ恋さんが出てくる」

ガチ恋さんに脳を支配される時がある」

というサイコな設定が後付けされ始め、口調も舌っ足らずを通り越して判読が難しいほどにデフォルメされるなど、ガチ恋ぽんぽこのキャラクターはさらに濃くなっていきました。

2021年5月13日に投稿された動画で、ガチ恋さんの3Dモデルはさらにブラッシュアップされました。

▲最新版のガチ恋さん。これもうアイドルだろ…。

本人は「整形」と言っていますが、着ているパーカーの色が変わったり、女子力の高いネイルが追加されたりと、もはや"正統派萌え系Vtuber"と言っても過言ではない見た目になったのです。 (※見た目だけ)

コメント欄でも「毎週ガチ恋さんが見たい」「可愛すぎて見惚れちゃった」と絶賛の嵐。

初登場時が嘘のようです。

まあ中身は何も変わっていないので言動はこれまで通りですが、見た目が可愛くなったことでさらにギャップが強調されるようになりました。

ギャップはあればあるほど面白いと日本国憲法にも書かれています。

今後もガチ恋さんの快進撃は続くでしょう。

風刺としてのガチ恋ぽんぽこ

ガチ恋ぽんぽこの特徴的な見た目や言動を、「萌え系Vtuberが持て囃される現在のVtuber業界への風刺」と捉える考え方が一部に存在します。

「可愛い声」「可愛い見た目」にばかり目が向けられがちで、所謂「媚びた」キャラの人気ばかり出る現象への一種のアンチテーゼになっているというのです。

ガチ恋ぽんぽこはガチ恋して~❤」とよく言います。

Vtuberやアイドル業界ではガチ恋」=「厄介なファン」と認識される向きが大半であり、多くの配信者が対応に悩む中で、むしろガチ恋を積極的に推奨する」ガチ恋ぽんぽこは少し異質な存在です。

また、ガチ恋を要求する割には、虫を食べたり激辛に挑戦したりと、こちらを"ガチ恋させる"気はあまりないようにも思えます。

媚びているのか媚びていないのかよく分からないのです。

ガチ恋さんは恋愛にもあけすけだったりします。

一般的に女性アイドルやVtuberは男の影が少しでもあると炎上してしまう傾向にありますが、ガチ恋さんはなんとバツ1です。

▲今やアイキャッチでお馴染みとなった「どんぱっぽ!(意味不明)」の元ネタです。

マッチングアプリを使ったと公言したこともありますが、(なぜか)全く炎上していません。

この辺りの恐れ知らずの行動も、彼女を異質な存在としている要因でしょう。

以上のことから、ガチ恋ぽんぽこは「大きな瞳や萌え声」という"王道"の一面を持ちながら、「奇抜な言動や尖った企画」という"異端"の面も併せ持つ、とても特異なキャラクターだということがわかります。

しかし、ガチ恋ぽんぽこの見た目は「正統派」を目指してデザインされており、前述したような量産型へのアンチテーゼとしての意図はありません。

また、特徴的な言動は変化前のぽんぽこの「萌え」に対するズレた見方が反映されたものです。

「こうすれば萌え系になるだろう」というぽんぽこの意図が空回りしたものであり、本人には風刺や揶揄する意図は全くないと思われます。

ですから、このような解釈は完全なる非公式であり、視聴者側の勝手な言い分であるということをここに銘記させていただきます。

Vtuber界には「彼女より友達にしたい枠」とも言えるものが存在しています。

ちなみにこれは筆者が適当に言語化したものであり、「おもしれー女枠」など表現方法は様々です。

おもしれー女とは (オモシレーオンナとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

これは、見た目よりキャラの個性や面白さ、企画力などのバラエティ性が特徴となっている女性Vtuberのことで、月ノ美兎さん鈴鹿詩子さんなどが代表的な存在として挙げられるでしょう。

もちろん、彼女達が可愛くない、などと言うつもりは毛頭ありません。

十分な外見的魅力を持っていながらも、その印象を薄れさせてしまうほどの強烈な個性が彼女達の売りなのです。

先程例として挙げた「バラドル」の概念と近いかもしれません。

しかし、このような女性Vが活動を続ける中で次第に可愛い部分が目立つようになっていき、「昔は友達としか思っていなかった幼馴染が…いや違うな…フフ…俺は最初からアイツのことが…」という状態になることがあります。

これはガチ恋さんにも当てはまります。

最初は可愛くないと言われていた女の子がどんどん垢抜けて可愛くなっていき、世間からの評価も変わる…という構図を、今のガチ恋さんは体現しています。

ですから、風刺などと言ってひねくれた見方をするのではなく、「少し変わった女の子が成長していくシンデレラストーリー」として素直に楽しむことこそ、"ガチ恋ぽんぽこ"というコンテンツへの正しい向き合い方なのではないか?と私は思います。

ガチ恋

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なんだか西尾維新の新作のような副見出しになってしまいましたが、「がちこいがたり」ではなく「がちこいご」です。

2つ前の項目でも書いたように、ガチ恋ぽんぽこは舌っ足らずな口調で喋ります。

これは極端に誇張されたぶりっ子口調であり、最近では誇張されすぎて赤ちゃんみたいになっています。

まだ口で喋っている分にはマシですが、Twitterで口語を書き出されると解読する難易度が一気に上がります。

例としてこちらのツイートを見てみましょう。

読めたでしょうか。

以下が正確な翻訳です。

あ~う~ひひ~ん

なんとなんなんと

12月21日~25日の5日間

ガチ恋weekはっじまっるよ??

アドベントガチ恋ねっ

ぽんぽこちゃんねるはあたしのもんよぉおおお

今日はチャクラ温存するから更新なし!ごめんね?

"ガチ恋week"というとんでもないパワーワードはこの際一旦無視します。

言葉の変換パターンとしては、かの手塚治虫氏の名作漫画「ブラックジャック」に出てくるピノコの口調に近いです。(風評被害)

しかし、「あたし→あちゃちゃ」などイレギュラーな変換があったり、ガチ恋さん独特の「ノリ」で文章が構成されていたりと、全てのパターンを解読するのはほぼ不可能です。

「にゃん」「がお~」など、動物の鳴き声がランダムで出てくることもあります。

そして、この記事冒頭でも出た「あ~う~ひひ~ん」

これは初期からガチ恋ぽんぽこが挨拶代わりに発する鳴き声(?)です。

まるで馬のようだとピーナッツくんから散々ツッコミが入っていますが、馬ではないようです。

しかしウマ娘ブームにはちゃっかり乗っかっていました。

▲先見の明があった…のか?

この鳴き声は、恐らく萌え声Vtuberを目指すにあたってどこかの配信者を参考にしたのでしょうが、原型からかけ離れすぎていて元ネタが分かりません。

分かったところで多分全く似ていないと思います。

圧が強すぎて畏怖すら覚えるガチ恋語ですが、触れているうちに段々とクセになってきます。

何よりもこれを毎回生み出しているぽんぽこが凄いです。

ガチ恋メディアミックス

ガチ恋さんはいつもの動画とは別に、他の媒体でも活躍しています。

まずはガチ恋さんのゲーム。

ガチ恋デイズ」という恋愛ゲームが存在しており、なんとこれはぽんぽこ本人が制作しています。

こちらの動画の概要欄からファイルをダウンロード出来ます。

▲なんとマルチエンディング採用!

また、ガチ恋さんはコミカライズもされています。

講談社でも活躍されている「北宮あみ」さんによって描かれた「恋ちてる?」という漫画が、2021年10月31日に開催されたKAI-YOU HYPER POP MARKETで限定頒布されました。

これは同人誌扱いではなく公式漫画であり、なんとガチ恋ぽんぽこ直筆の寄稿ページもあったそうです。

企画はまだ進行中ということで、次の展開からも目が離せません。

さらに初めてとなる公式グッズも制作されており、これは2021年12月24日から渋谷にて開催されるイベント「バーチャルスクランブル2」で発売されました。

こちらはイラストレーター・動画クリエイターの「可哀想に!」さんが協力しておられるようです。

追記:ガチ恋さんのオリジナル曲もあります。

「DON PA PPO」という曲で、2021年12月25日にMVが公開されました。

作詞・作曲は「かわみ」さん、MV制作は前述の「可哀想に!」さん、タイポグラフィ「earthonlywin」さん、そしてMIXは「星屑サラウンド」などを手がけた「龍崎一」さんです。

▲豪華コラボ!

ガチ恋ぽんぽこというコンテンツの集大成感がある、非常に素晴らしいMVですね。

まとめ

今回はガチ恋ぽんぽこの歴史と特色について書きました。

ガチ恋ぽんぽこは「甲賀流忍者ぽんぽこ」から派生したキャラクターでありながら、そのビジュアルや言動で異彩を放ち、「ガチ恋シリーズ」等の人気企画を抱えるぽんぽこちゃんねる屈指の売れっ子となっています。

チャクラ不足という縛りがあるために登場回数が制限されており、「レアキャラ」扱いになっているのも人気に拍車をかけているのかもしれません。

個性が強いので週に何度も出てくると胃もたれしますが、月に1度くらいの頻度だと逆にもっと見たくなってしまうのですから不思議なものです。

私も動画更新通知が来た時にガチ恋さんの動画だとテンションが上がります。

f:id:aidnoyatsudayo11:20211223022431j:plain ▲これだけ大きく出ても不快にならないガチ恋さん。だって実際可愛いもんね。

紆余曲折ありながらも、ファンのみんなに愛され、年を経るごとに飛躍していくガチ恋ぽんぽこ。

次はどんな「あ~う~❤」を見せてくれるのでしょうか。